2012年4月号記事
50年後日本の人口は8000万人台に "Newsダイジェスト"
少子化対策なき日本に暗雲
2060年に日本の人口は8674万人になる――。 国立社会保障・人口問題研究所が発表した人口推計が、大きなインパクトを与えている。現在の日本の人口は、1億2800万人だが、2048年には1億人を割り込み、2060年には4132万人も減って8674万人になるという。
これだけでも経済に与えるインパクトは大きいが、さらに深刻なのは、この 50年間で生産年齢人口(15~64歳人口)が8173万人から4418万人へと半分近くまで激減する ことだ。一方で、65歳以上の老年人口は2948万人から3464万人に増加する。かなりの少子高齢社会だ。
「人口構造の変化こそ、ネクストソサエティ(次の社会)においてもっとも重要な要因である」
ドラッカーがこう述べているように、日本の未来を予測する上で、人口減少は決定的な要因となりうる。
従って、この人口減を放置しておけば、日本の未来は暗いものになっていく。実際、人口減少を前提とした悲観論は、巷にあふれかえっている。
単純計算で言えば、生産年齢人口が半減すれば、GDP(国民総生産)も半減してしまうことになる。
「下山の思想」が流行る背景には、間違いなくこの人口減がもたらす暗い未来への予感がある。