リビアのカダフィ大佐 の死亡が20日、発表された。これを受けた米オバマ大統領の発言から一部を紹介する。

オバマ氏はホワイトハウスで現地時間の20日午後2時過ぎ、カダフィ死亡について約5分間演説。ホワイトハウスのサイトに出ているその全文で、カダフィの退場でリビア国民が手にするだろう「価値」を表すキーワードの使用回数を数えてみると、「民主主義(的)」(democracy,democratic) と「権利」(rights)がどちらも3回。最も多いのは「自由(解放)」(free, freedom, liberation)の4回だった。

オバマ氏が「自由」に関する語を用いた部分はこうだ。

「One year ago, the notion of a free Libya seemed impossible. But then the Libyan people rose up and demanded their rights.(1年前、自由なリビアという概念はあり得ないものに見えた。だがその後、リビアの人々は立ち上がり、権利を求めた)」

「(リビアの今後に関して)We look forward to the announcement of the country’s liberation, the quick formation of an interim government, and a stable transition to Libya’s first free and fair elections.(我々は、同国の解放が発表され、暫定政府が速やかに成立し、リビア初の自由で公正な選挙体制へ安定的に移行することを期待する)」

「You have won your revolution. And now, we will be a partner as you forge a future that provides dignity, freedom and opportunity.(あなた方は革命に勝利した。そして今、尊厳と自由とチャンスをもたらす未来をあなた方が築くうえで、我が国はパートナーになろう)」

実際はオバマ氏は、当初リビアへの介入に消極的であり、必ずしもリビア国民の自由を一貫して強く支持した訳ではない。だが、演説では米国的理念である「自由」という普遍的な語を散りばめた形だ。

一方、21日付朝日新聞が載せているリビアのトリポリ大学政治経済学教授のコメントには、こんな一節がある。

「革命が起きたのはなぜか。それは、生活水準を向上したいという国民の声だ。新しい政府の仕事は政治腐敗をなくし、がんばれば報われる社会をつくること。国民の期待は高い」

自由な環境で、がんばれば報われる社会こそ、やはり国民に最大の幸福をもたらす。新生リビアの上に「自由の神」の祝福があらんことを。(司)