岩手県は26日、東日本大震災で被害を受けた10地域の防潮堤を復旧するにあたって、整備する高さを発表。各紙が報じている。
それによると、9.7~15.5メートルで、100年前後に一度発生する津波を想定した。
最も高いのが普代村の15.5メートルで、最も低いのは、山田町の9.7メートル。
総じて低いのが特徴で、3月11日に18.3メートルの高さに達した痕跡のある広田湾では、陸前高田市の主張が15メートルだったのに対し、県の設定は12.5メートルだった。
「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」を地で行くような話だ。
少なくとも3月11日の津波の高さは確保すべきで、15メートルから20メートルで整備すべきだろう。
県としては費用がかかりすぎることと、景観に影響を与えることから、低めの設定となったという。
しかし、最も費用がかかるのは、防潮堤が津波を防げなかった場合だ。金を惜しんで、命を惜しまないようなことがあってはならない。
普代村で、建造当時の村長が周囲の反対を押し切って15メートルの高さの水門をつくって、今回の津波を食い止めた教訓は、共有されていないのだろうか。
大規模公共事業は、雇用の確保にもつながる。大胆な計画を期待したい。(村)