福島第一原発からの放射能による健康被害をめぐっては、不思議な報道に出くわすことが多い。

14日の各紙で「南相馬市の60代男性1人から1ミリシーベルトを超える数値が検出された」と報じられ、問題であるかのように取り上げられている。

本欄では繰り返しになるが、広島・長崎の原爆でも、チェルノブイリ原発事故でも、100ミリシーベルト以下では子供も妊婦も健康被害が出ていない。「一般の人が年間に浴びる線量限度は1ミリシーベルト」という数値も念には念を重ねたもので、健康への影響を考えるようなレベルではない。

しかも各記事をよく読めば、その男性の1ミリシーベルトという数値は「今後50年間に換算した」ものだという。ということは、超微量の放射線だということだ。

結局、南相馬市のこの放射線量調査(小中学生を含む899人対象)で伝えるべきことは、「南相馬市の住民の被曝量は極めて小さく、健康被害は出ないレベルで、福島県内の他の地域も同様だろう」ということだ。(織)