2026年12月号記事
釈量子の宗教立国を目指して
──大川隆法総裁の政治思想を学ぶ

幸福実現党 党首
釈 量子
(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/
第9回
「自由の哲学」の原点にあったハンナ・アレントの思想
『大川隆法 思想の源流』

大川隆法・幸福の科学総裁の御生誕70周年、立宗40周年である今年を振り返る上で、幸福実現党にとって欠かせない一書が『大川隆法 思想の源流 ハンナ・アレントと「自由の創設」』です。
「あとがき」には、「本書を読めば、私の政治活動や政治的発言の原点が分かるだろう」とも書かれています。多くの宗教が既存政党の集票・集金マシンに堕すなか、大川総裁は根源的な思想から、独立した政治運動として幸福実現党をつくられたことが分かります。
本書の魅力の一つは、大川総裁が東京大学2年生時に執筆された論文「H・アレントの『価値世界』について」が特別収録されていることです。
大学2年にして日本人初のアレント論文
3年次に本郷の篠原一ゼミに入る資格審査のために書かれたものですが、重要なのはこれが、「日本人による初のアレント論文だった」ということです。アレントは今でこそ静かなブームともなり、日本人研究者による解説書も刊行されています。しかし1978年の執筆当時、東大に研究者はおらず、そもそも政治学の主流は安保闘争の理論的主柱となった丸山眞男学派でした。その思想環境のなか、スターリンを厳しく批判するアレント研究を、大川総裁はたった一人で始められたのです。
論文は単なるアレント哲学の要約ではなく、その思想の核心に光を当てながら、後に説く仏法真理とも重なる「価値世界の構造」「時間論・空間論の考え方」を紡ぐものでした。「『太陽の法』『黄金の法』『永遠の法』等につながっている」ことも分かり、神の泉から「思想の源流」が湧き出る瞬間を目の当たりにできるのは、「奇跡」そのものです。
この世の地獄
全体主義に挑む「自由の創設」
では、大川総裁がアレント研究を源流として、具現化しようとしている政治思想とは、何でしょうか。最大の眼目は「全体主義と対決し、自由の創設をなす」ことでしょう。
アレントはユダヤ人として、ナチス・ドイツの迫害から逃れて渡米。1951年に発刊した『全体主義の起原』が反響を呼びます。第二次世界大戦が終わり、ソ連ではスターリン体制が続くなか、右翼と左翼の両極端を「全体主義」と呼び、その特徴を分析したのです。
本書の第二章に収録されたハンナ・アレントの霊言では、こう語られています。
「『この世に現れた地獄』を私は批判したんですよ。『この世の地獄は、何度でも起きることだ』と言って。だから、ウイグルに起きた地獄、チベットに起きた地獄、香港に起きようとしている地獄。『これは何度でも起きるんだ』ということを言っているので。そのための分析手法を教えている」
アレントは、人々が見落としがちな真実を浮かび上がらせています。世に「革命」と名のつく政治運動は多くあります。しかしアレントは、暴力を前面に出して大勢の人を殺すような血生臭い革命は「テロル(暴力)」であり、真の革命は「自由の創設」であると指摘しています。「思想的なものが分かっていれば(中略)それが善か悪か」「その行動パターンを分析するとき(中略)全体主義になるかどうか」が分かるのです。
こうして、日本にも世界にも形を変えながら次々と現れる「全体主義」的なものを見抜いては、「自由の創設」を訴えて挑んでいく必要があります。
全世界の抑圧された人々を解放する
時にマスコミなどが、大川総裁の求心力をヒトラーになぞらえたり、その政治活動を全体主義と連想づけようとしたりすることがあります。しかし幸福の科学ほど、全体主義的なるものにアレルギー反応を示す宗教はありません。「原発反対」や「バラマキ礼賛」などの国民世論が一色に染まる問題に、幸福実現党は果敢に斬り込んできたのです。
私たちが自由の根幹にある「複数性(プルラリティ)」を尊重していることは、その教えがさまざまな国民性を越え、全世界198カ国に広がっていることからも分かります。
論文では、アレントが「はじまり」という言葉を愛用していることに触れられ、「それは人間の『出生』を意味すると同時に、新しい生命によって新しい時代が創られるという『はじまり』をも意味する」と語られています。
これは既存の政治的伝統も政治哲学も終わりを迎えるなか、新たな「はじまり」としての新時代が「幸福の革命」の上に打ち立てられていくことを予言しているかのようです。
「新たな神の名のもとに、全世界の抑圧されし人々を、解放せよ」──それこそ、幸福実現党の使命なのです(*)。
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