《ニュース》
トランプ米政権は20日、一部の連邦政府機関のシステムから中国の人工知能(AI)企業「ディープシーク」を排除すると決定しました。
《詳細》
中国製の生成AIであるディープシークは、高い性能を持ちながら、アメリカ製AIよりも安価で利用できるという特徴があります。一方、安全性についてはかねてから懸念されており、米商務省は昨年、政府機関の機器への利用を禁止し、米海軍も全隊員に対し、私用も含めた利用を禁止していました。
そして米国土安全保障省も20日付の通達で、行政部門の文民機関を対象に、ディープシークの製品や、ディープシークを使用して開発された製品・サービスを、ITシステムから排除するよう要求していたことを公表しました。政府の調達の対象から除外するとともに、すでに導入済みの技術も削除することが求められています。
同省は、ディープシークが「複数の脅威の経路」をもたらし、米政府職員や取引業者が使用した場合、「中国当局が、民間企業のインフラや米政府の機密データにアクセスする可能性がある」と懸念を表明。同省のマークウェイン・マリン長官は、「ディープシークが中国国内にあるサーバーに保存しているデータは、中国政府が国家安全保障法に基づいて要求することで取得可能である」と指摘しています。
なお前日19日には、米国務省が、元グーグルエンジニアが設立した上海至算科技など5団体を、知的財産保護法に基づいて制裁対象に指定。資産の凍結などの制裁を科すことになります。
中国のAIにはさまざまな問題が指摘されています。その一つが「サイバー攻撃に悪用されやすい」点です。
最近、社会問題となっている不正アクセス問題をめぐり、GMOインターネットグループの傘下企業が調査したところ、中国系AIツール「ARTEX」が使用されていたことが判明。また、英AIセキュリティテスト会社マインドガードは、中国AI企業ムーンショットの「Kimi2.6」を説得して、「ロンドン地下鉄へのテロ攻撃を計画させることに成功した」というテスト結果を公表しました。同AIは、数人がかりで見つけなければならないような地下鉄の情報を瞬時に集め、「数秒で計画を作成した」といいます。
サイバーセキュリティ専門家の中本有哉氏は、「中国の企業が開発した大規模言語モデル(LLM)は、危険な指示や『攻撃する方法を教えて』といった指示を、そのまま受け取ってしまう」と指摘(10月17日「テレビ高知」)。過激な指示を拒否するアメリカのAIと対照に、"倫理観"の低い中国AIが犯罪に悪用されるリスクが高まっています。
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