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オランダ下院は12日、貯蓄および投資資産(株式・債券・仮想通貨など)に対し、未実現利益を含む、36%のキャピタルゲイン税を課す法案を可決しました。

《詳細》

法案は、資産を売却した際に得られる利益(実現利益)に対する課税だけでなく、年初と年末の資産価値の差額によって、売却していなくても計算上得られる利益である「未実現の利益(含み益)」にも毎年課税するというもので、国際的にも極めて異例の制度です。

当初、複数の右派政党が法案に反対を表明していました。しかし最終的には、高齢化による社会保障費の増大などによる「財政赤字の拡大」を埋め合わせるために、右派政党も賛成票を投じ、下院で約3分の2の賛成票を得て可決されました。上院での可決も確実視されており、2028年から施行される予定です。

これに対し、多くの投資家や経営者、経済アナリストらを中心に「現金化していない帳簿上の利益に対しても税金を払わなければならず、複利効果を弱め、資本と富裕層の流出を招く」といった批判が殺到しています。

また、オランダではほとんどの人が、インフレや年金受給年齢の引き上げに備えて投資をしています。オランダの金融情報サイトInvesting Visualsによると、従来は、25歳で1万ユーロ(約180万円)から投資を始め、毎月1000ユーロ(約18万円)を積み立てていれば、40年間で332万ユーロに複利で増やすことができ、老後にその資金で暮らすことができたといいます。しかし法案が施行されれば、40年後の総額が188万ユーロに減少してしまうと試算。「これはオランダ史上最大の長期的財産の破壊となるかもしれない」と強く非難しています。

オランダはすでに、世界有数の重税国家として知られています。消費税21%、所得税の最高税率49.5%、社会保険料約27%などに加え、新たな税金として、砂糖が使われている食品に消費税とは別に課税する「砂糖税」の導入まで検討されています。重税や生活苦により2025年には、数少ない富裕層や、優秀な若者をはじめ、約21万2000人が国外に流出する過去最悪の事態に陥っています。

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