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衆院選の争点の一つである外国人政策をめぐり、さまざまな議論が行われています。ただ、中には誤解や偏見に基づく主張も見られるため、注意が必要です。
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「移民」をめぐっては、保守派を中心に反対姿勢が強まっています。
多くの保守派の期待を受けている高市政権は1月、外国人政策に関する基本方針を閣議決定しました。外国人の受け入れを厳格化するとした一方で、事実上の移民政策を続ける姿勢は変わっていません。
また小野田紀美経済安保担当相(自民党)が昨年、「すでに外国人労働者等なしでは回らなくなってしまっている現場が多くある事は事実」「即座に介護も建設も製造も農林水産業等々も崩壊して、社会が立ち行かなくなることは目に見えており、高齢化と人口減少による人手不足は現実として向き合わねばならない」と主張したところ、一部保守層から「結局、移民を受け入れるのか」などと批判が相次ぎました。
移民政策に反対姿勢を示す日本保守党の北村晴男氏はテレビ番組の中で、「移民1人あたりの経済合理性を検討したところ、欧米系移民はプラス1000万円、非欧米系移民はマイナス7000万円だった」というオランダで行われた研究を紹介しました。
ただ、該当の研究はオランダ国内でも論争を呼んでおり、「結論ありきで統計を用いており、恣意的だ」「社会全般への移民の貢献を無視している」「財政コストのみの検証で、生産性や雇用の影響が考慮されていない」などの反論も上がっています。オランダの隣国ベルギーで行われた類似研究では、移民は国内総生産(GDP)を3.5%押し上げ、経済的に「貢献している」と結論づけるなど、今も議論が続いています(2026年1月21日付産経新聞)。
日本保守党と同じく移民政策に反対する参政党の神谷宗幣代表は、「移民の受け入れには猛反対だ。お金のためだけに来て、自分たちのやり方を通そうとする人たちは困る」と指摘。ただ、それらの主張の根拠に対しては、いくつか疑義が呈されています。
一例を挙げると、参政党は過去の質問主意書の中で、「移民の割合が1%増加すると、平均賃金が0.3%低下し、最低賃金労働者の賃金は0.6%減少する」という英オックスフォード大学の研究機関の調査結果を引用。しかし、同大学の研究機関が公表しているサイトの同じページには、「移民の割合が1%増加すると、平均賃金が0.1~0.3%上昇する」という別の調査も掲載されており、「(結論は異なるが)移民が平均賃金に与える影響は比較的小さいという点では一致している」と記されています。別のページでは、「純移民数の増加は財政赤字と債務の減少につながると概ね推定されている」という予測も紹介されており、恣意的な引用と言われてもおかしくありません。
このように「移民」をめぐる論争は、賛成派・反対派ともに感情的になりやすく、注意が必要です。
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