2026年3月号記事

脱炭素政策で破壊される日本経済

政府の再エネ投資はもうやめよう

各国で見直しが進む「脱炭素」に日本だけが前のめりでよいのか。

再生可能エネルギー推進の象徴であるメガソーラー規制に向け、政府が具体的な検討を始めた。

2027年度以降、電気料金に上乗せされている「再エネ賦課金」を原資としたメガソーラー支援を廃止する方針だという。

本誌はメガソーラーの野放図な拡大に警鐘を鳴らし続けてきた。25年度の再エネ賦課金は約3.1兆円に上り、国民負担を押し上げると共に自然破壊が問題視されている。

これが実現すれば、一歩前進とは言えるだろう。

加速する「再エネ推進」

だが、政府は2023年に成立した「GX推進法」(*1)に基づいて、メガソーラー以外の再エネ支援や脱炭素施策を加速させようとしている。GXとは「グリーン・トランスフォーメーション」の略で、50年までの温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指し、化石燃料から再エネに転換する取り組みを指す。

脱炭素の取り組みと経済成長を両立させるため、政府は10年で官民合わせて150兆円の投資が必要だとしている。そこで、民間投資の呼び水として20兆円規模の「GX経済移行債」を発行する。「投資」というが、要は次世代太陽光や風力発電、水素・アンモニア発電をはじめ、未発達な脱炭素事業や高コストな再エネに政府が補助金を出すという話だ

だが、1kWhあたりの発電コストは原子力が10.1円、石炭が12.3円、天然ガスが13.7円(*2)に対し、水素発電は52円(*3)である。すでに安価な発電方法があるのに、コストのかさむ発電に移行させるなど、通常の経営感覚ならあり得ない。

(*1)正式名称は「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」
(*2)2015年「総合資源エネルギー調査会 発電コスト検証ワーキンググループ」算出
(*3)2019年資源エネルギー庁


高コストな設備や技術に多額の「投資」

GXの主な投資分野

主な分野官民投資額主な投資促進策
自動車34兆円~電気自動車充電設備導入支援
蓄電池7兆円~生産設備導入支援
くらし14兆円~家庭の断熱窓への改修
高い省エネ性能を持つ住宅導入支援
次世代
再エネ
31兆円~ペロブスカイト太陽電池、浮体式洋上風力、水電解装置などのサプライチェーン構築支援
CCS4兆円~CCS(二酸化炭素回収・貯留)適地開発など
※経済産業省資料
 
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