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アメリカによるベネズエラのマドゥロ大統領の拘束について、米民主党などのリベラル派や中国などが、「国際法に違反する」と非難する中、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は社説で、「独裁国家が国際法を盾に、ベネズエラの暴政を正当化するのはおかしい」と、トランプ米大統領の決断を全面擁護しています(6日付電子版)。

《詳細》

アメリカが3日未明に行ったベネズエラ軍事作戦で、マドゥロ氏を拘束したことをめぐり、マドゥロ政権の崩壊自体は多くの人々から支持を集めているものの、軍事作戦については「国際法に違反する」と非難する声が上がっています。

国連のアントニオ・グレーテス事務総長は5日、「国際法の規則が尊重されず、深く懸念する」とし、中国やロシア、イスラム組織ハマスなども「重大な国際法違反である」とアメリカを批判。欧州連合(EU)は、マドゥロ政権は民主的な正当性を欠いているとしながらも、「国際法を尊重すべきだ」と表明し、米民主党などリベラル派からも非難が集まっています。

具体的には、国連憲章第2条4項の「全ての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇または武力の行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものも、慎まなければならない」に違反すると指摘されています。

これについてWSJは、「マドゥロ氏は合法的な大統領ではなかった」という点から反論。マドゥロ氏は2018年と2024年のベネズエラ大統領選挙で、実際には選挙に負けていたにもかかわらず権力の座に居座り続けており、アメリカの超党派やEUでもこの認識が広く共有されています。

2024年のベネズエラ大統領選挙で国民に選出されたエドムンド・ゴンザレス氏は、今回の作戦への支持を表明しています。そのためWSJは、「合法的な権力者の同意がある場合、アメリカの介入がベネズエラの主権侵害になると言えるのか」と問題提起。「(国連憲章)第2条4項の解釈として、合法性がなく、選挙で選ばれていない独裁者を支えるために外国勢力が軍を使うのは許されて、そのような独裁者を排除するのは許されていないと言うのはおかしな話だろう」という国際法の専門家の指摘を紹介しています。

さらに、「国家間の関係を法が規定するウィルソン主義の庭に住んでいると考えられたらよいのだが、そんな状況ではない」とし、国際法を無視して領土を拡張している中国などを念頭に、「世界のならず者国家に対する防御策として機能しているのは、西側諸国の軍事的抑止力だけだ」と指摘。

「世界の極悪者と結託して法律を無視している独裁者を拘束するための米国の軍事行動は、(中略)侵略行為とは異なる。その違いを認識できないようなリベラル派の国際主義は、道徳面でも政治面でも間違っている」と一蹴しました。

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