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イランで昨年12月28日から続く抗議デモが近年まれに見る規模となり、イランの体制に及ぼす影響が注視されています。
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一連の抗議活動は、先月28日に首都テヘランのバザールの商店主たちが、現地通貨リアルの対米ドルでの急落とインフレの急激な進行に対して抗議をしたことが発端となりました。その後、数多くの民衆を巻き込んでイラン各地に広がり、2022年以来の大規模デモとなっています。
イラン人権活動家連盟(HRANA)によると、抗議デモはイラン31州のうち27州の250地域以上に広がっているといい、抗議活動に伴う民衆と、政府側のイラン革命防衛隊との衝突の結果、死者は少なくとも35人に達し、逮捕者は1200人以上に上るといいます(1月5日時点)。
イランの核開発計画に対するアメリカの制裁が経済を圧迫する中、リアルは過去最安値に下落し、年間インフレ率は約42%、食料品のインフレ率は70%を超え、一部の生活必需品は110%以上も値上がりしているといいます。
また、抗議デモでは「自由、自由、自由」と叫ぶ声や、最高指導者のハメネイ師を指して「独裁者に死を」といったスローガンが聞かれるなど、経済問題にとどまらず、イランの現体制を広範に批判する声が強まっています。
イラン政府は4日、経済的圧力を緩和するために、国民全員に毎月100万トマン(約7ドル)相当の金額を支給すると発表しました。しかし、すでに税収が圧迫され、公務員の給与を支払うことすらままならない状況で、政府の財政能力を疑問視する見方が強く、抗議デモは拡大を続けています。
今回注目を集めているのは、アメリカの動きです。トランプ米大統領は2日、自身のSNSで「もしイランが平和的な抗議者を撃ったなら、米国は救助に乗り出す。準備は万端整っている」と警告しました。さらに3日にはイランと親密な関係を築いていたベネズエラのマドゥロ大統領を拘束したことで、イランも牽制。5日には「さらなる抗議活動参加者の死者が出れば、イラン当局は大きな打撃を受ける」と改めて警告しています。
外圧が高まる中、英タイムズ誌は4日、情報機関関係者の話として、ハメネイ師が有事の際にロシアに亡命する計画を策定していると報じています。
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