《ニュース》
中国の人民解放軍は29、30日の二日間にわたり、台湾を包囲する形で過去最大規模の軍事演習を行いました。
《詳細》
「正義使命―2025」と名付けられた今回の軍事演習は、陸・海・空軍のほか、核ミサイル部隊を管轄するロケット軍などが参加し、台湾を取り囲む5海空域で実施。加えて、実弾射撃が行われる区域を2つ指定しました。これにより総範囲で過去最大規模の演習となり、これまでの演習よりも台湾に近い区域で行われました。
中国軍は台湾を包囲して主要港湾を封鎖するために、駆逐艦やフリゲート艦、戦闘機、爆撃機による海上目標攻撃や対空・対潜水艦作戦などの訓練を行い、2022年の演習と同様に実弾射撃を含んだ演習を行いました。
中国国防省は29日夜、演習の目的について「『台湾独立』勢力と外部勢力の干渉に対する厳重な警告だ」としており、中国が「独立派」とみなす台湾の頼清徳政権と、17日に台湾への過去最大規模となる約111億ドルの武器売却を承認したアメリカのトランプ政権、「台湾有事発言」をめぐる高市政権への威嚇などと見られています。
これに対し台湾国防部は、「わが軍は引き続き高度な警戒と万全の態勢を維持し、民主主義と自由の価値を守るために具体的な行動を取る」とし、中国の訓練が突如攻撃に転じた場合には、部隊を迅速に展開できるよう厳戒態勢を敷きました。
中国は台湾を包囲する大規模軍事演習を2022年8月に始めました。それ以来、頼清徳総統の就任や、頼氏が中国を「域外敵対勢力」と名指ししたことなどに反発するたびに行っています。
今回の軍事演習についてトランプ米大統領は今月29日、習近平中国国家主席から何も知らされていないとしたうえで、「習氏と素晴らしい関係を築いている」とし、演習については「心配していない」と述べています。
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