《ニュース》
米戦争省がこのほど発表した中国の軍事力に関する年次報告書によると、「中国は2035年までに9隻の空母を配備する計画がある」といい、中国が進める常軌を逸した異常な軍事拡張の実態が改めて浮き彫りとなりました。
《詳細》
米政府が発表した報告書には、現在、3隻の空母を保有する中国人民解放軍海軍が、35年までに6隻建造し、9隻の保有を目指していることが記され、波紋を広げています。計画通りにいけば、第二次世界大戦以降のインド太平洋地域では、中国が最も空母を保有し、11隻を持つアメリカに肉薄。対外紛争に関与する能力を劇的に高め、世界の覇権国家に挑戦する野望をさらに剥き出しにさせたと見られます。
日増しに高まる中国の脅威をめぐり、アメリカのヘグセス戦争長官は、米海軍の探知能力などを大幅に向上させている中国は、「紛争の最初の20分で、10隻の米空母を撃破できる可能性がある」とすでに指摘しており、極超音速ミサイルが米海軍にとって差し迫った脅威であると危機感を露わにしています。
そのほか、報告書で注目すべき主なポイントを紹介します。
中国政府が発表する注目度が高い近年の声明には、台湾の「平和的統一」の文言が消え、台湾への圧力を絶え間なく続けている。
人民解放軍は、台湾を「武力統一」する複数の軍事的選択肢を改良している(例えば、海上封鎖や戦争を誘発させるオプションなど)。
人民解放軍の攻撃範囲が、中国本土から最大1500~2000カイリ(約2780~3700キロメートル)に及ぶ可能性があり、アメリカのプレゼンス(存在感)に深刻な脅威となる。
中国の核弾頭保有数は2030年までに1000発を超え、10キロトン未満の核兵器も開発している。
人民解放軍内で相次ぐ上級将校の解任により、軍の一部は、党への絶対的な忠誠心を疑問視しているという報告がある。
ジブチとカンボジアに実質的な対外基地を有する中国は、次の国でも基地の設置を検討している。アンゴラ、バングラデシュ、ビルマ(ミャンマー)、キューバ、赤道ギニア、インドネシア、ケニア、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、パキスタン、パプアニューギニア、セーシェル、ソロモン諸島、スリランカ、タジキスタン、タイ、タンザニア、アラブ首長国連邦、バヌアツ、ガボン。
中国の情報機関はヨーロッパの政党に潜入し、親中的な言説を広めるよう工作活動を展開している。
中国の経済成長率は2030年までに3~4%に減速すると予測されており、今後の軍事費の伸びが抑制される可能性がある。
日本の木原官房長官は25日の記者会見で、「十分な透明性を欠いたまま、核・ミサイル戦力を含む軍事力を広範かつ急速に増強させている」と述べました。
《どう見るか》





















