全国公開中

《本記事のポイント》

  • "救世主"としてのジョン・レノン
  • 平和活動家としての命をかけた戦い
  • ビートルズ・メンバーが明かす死後のジョン

1969年3月にオノ・ヨーコと結婚し、その後ビートルズを脱退したジョン・レノン。ビートルズ解散後も独自の道を歩み、革新的な音楽を生み出す一方で、平和活動家として反戦運動にも関わり、当時の米ニクソン政権から危険人物扱いされた。

1980年には本格的な音楽制作を再開し、5年ぶりとなるアルバム『ダブル・ファンタジー』を制作、カムバックツアーも計画していたが、アルバムリリース翌月の12月8日、帰宅時に射殺されてしまう。

本作では貴重なアーカイヴ映像をふんだんに盛り込みながら、『ダブル・ファンタジー』制作のため秘密裏に集められたミュージシャンやスタッフ、ジョンが射殺された当日に彼をインタビューしたジャーナリスト、ジョンの親しい友人たちが、彼の行動の裏に隠された真実を赤裸々に語っている。

"救世主"としてのジョン・レノン

本映画の魅力は、ジョン・レノンの人生の最後の十年間を、膨大な証言と映像を積み上げる手法で多角的に描き出そうとしている点だ。新たな証言者は20人以上に上り、既存のインタビューやアーカイヴ映像を加えれば約40人に及ぶ。

中でも驚かされるのは、最晩年のジョンと直接の交流があった人々が、まるで昨日のことのように彼との交わりを生き生きと語る、その姿だ。

そこにあるのは、ジョン・レノンが60年代から70年代にかけて、時代の象徴的な存在として、文字通り世界を揺り動かし、その方向性と人々の生き方に、とてつもなく大きなインパクトを与えたという事実である。

それは、東西冷戦の最中にあって、あらゆる権威や既成の枠組みを超えて、愛と平和の大切さを、一人の人間の赤裸々な生き様を通して、身をもって体現したということでもあるだろう。

こうしたジョン・レノンの影響力と感化力の本質について、大川隆法・幸福の科学総裁は、あの世のジョン・レノン霊からの言葉として、次のように、その秘密を明らかにしている。

「僕は神のトランペット。

ああ、ビートルズの曲に触れたなら

何か温かいものを、力強いものを

何か……………天上界から吹く風を感じるだろう。

僕は天国にいる。

天国にいて、イエス・キリストの右腕なんだ。

毎日、愛の歌を歌っている。

絶望のなかにある人たち。

今こそ天の声を聴くといい。

僕は天使じゃない。

天使以上の存在なんだ。

僕は大天使でもない。

愛の神の一部なんだ。」

(『何を以て愛とするか ジョン・レノンの霊言』より)

そう、ジョン・レノンは2000年前にエルサレムで愛の教えを説いたイエス・キリストの魂の一部であり、その愛と平和のメッセージの奥には、イエス・キリストが信じた天なる父のバイブレーションが込められていたのである。

平和活動家としての命をかけた戦い

この映画のもう一つの特徴は、アメリカに移住したジョン・レノンが直面した、ベトナム戦争をめぐるニクソン政権との戦いの一端が描かれている点である。

当時の大統領リチャード・ニクソンは平和運動家としてのジョンの活動を危険視し、徹底した対抗措置に出た。背景には、72年の大統領選挙への影響を恐れ、民主党候補を利する存在になるのではないかという不安があったという。ここからグリーンカード(永住権)を巡る闘いが始まる。電話の盗聴を含む、米政府からのさまざまな圧力も語られている。

"共産主義者"であるとのレッテルまで貼られた当時の権力との戦いについて、霊界のジョン・レノン霊は次のように振り返っている。

僕らは僕らなりに、その、"共産主義の鉄のカーテン"を破ろうとしてたし、アメリカの持ってる"帝国主義の怖い面"も、やっぱり破らなきゃいけないという気持ちも持ってたから。

歌で破れるかどうかは分からないけど、デモでね。何万人ものデモを起こすのは大変なことだけど、音楽のファンということでね、まあ、そういう思想を共有する人ができていくことで、その境界を破りたかったんだよ。

だから、そういう政治的な、何て言うか……、"時代の爆弾性"を持ってはいたから、たぶん僕の寿命は短かったんだろうと思うけどね。」(前掲書)

2020年に大川総裁が収録したジョン・レノン霊のスペシャルメッセージでは「僕たちは今こそ、力を合わせてお互いに助け合おう。特に、東アジアの強大な政府に苦しめられている人たちを。香港の人たちを助けてほしい。台湾の人たちを助けてほしい。宗教を信じる人たちを助けてほしい。無神論は真理じゃないし、科学は完璧じゃない。だから今、僕たちは神の歌を歌う。これが天国の神の声なんだ。どうか僕を信じてほしい」(前掲書)と語られている。ジョン・レノンの戦いは、今も続いているのである。

ビートルズ・メンバーが明かす死後のジョン

この映画のとても興味深い点は、ビートルズのメンバーであるリンゴ・スターとジョージ・ハリソンが、ジョン・レノンの霊的な側面について語っている点である。

映画には、2人が1988年3月5日にイギリス(ITV)のテレビ番組「Aspel & Company」に出演した際のジョンにまつわるエピソードが収められている。

その中で、ジョージ・ハリスンは、ジョンとともにインドへ瞑想の旅に出たときのことを語り、魂にとって、肉体はスーツのような着物であり、死ぬことによってスーツを脱いでから、本当の生活が始まるという霊的な信条を堂々と語っている。

それを受けてリンゴ・スターは、自分が絶望的な精神状態に陥り、ロサンゼルスのホテルの一室で一人うなだれていた時に、ジョン・レノンの霊が現れ、慰めてくれたことが2回あったということを明らかにしている。

僕は、本当は『自分の幸福』なんて考えてなかった。まあ、子供時代だって、そんなに幸福だったわけではない。自分としてはね、なかったけど。

何にも持ってない僕が、苦しんでる人たちに喜びを与えることができるって、すごいじゃないか。それはまるで、クリスマスのころに、北欧からソリに乗って空を飛んで、人々に煙突からプレゼントを届ける、サンタさんみたいな気持ちじゃないか。

そんな気持ちでソリに乗って世界中を飛び回って、世界中の子供たちや女性たちや、それから大人たちも含めて、みんなに喜びを伝えたかったのさ。」(前掲書)

今年はビートルズの新たなアンソロジーも発売され、若い世代にもその魅力が広がりつつある。映画の中でジョン・レノンは、60年代というのは人類にとっての朝であり、やがて世界は新しい時代に突入していく。そして自分は夕べを楽しみにしている、とも語っていた。

そんなジョン・レノンの見果てぬ夢を描いた本作品は、彼が訴えた「愛と平和のメッセージ」について考える、一つのヒントにもなるだろう。

 

『夢と創造の果てに ジョン・レノン最後の詩』

【公開日】
全国公開中
【スタッフ】
監督:アラン・G・パーカー 製作:アレクサ・モリス
【配給等】
配給:NEGA
【その他】
2025年製作 | 140分 | イギリス

【関連書籍】

何を以って愛とするか

『何を以って愛とするか』

大川隆法著 幸福の科学出版

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