《ニュース》
米アマゾンが手がける「アマゾンウェブサービス(AWS)」で20日、大規模な通信障害が発生しました。クラウドサービスで市場シェアの3割を持つ世界最大手だけに、波紋を呼びました。
《詳細》
クラウドサービスとは、インターネット経由でソフトウェアやサーバー環境を提供するサービスのことです。SNSやwebメールをはじめ、システム運用やアプリ開発等に必要な機能をそろえることが可能で、多くの企業は、ネットを通じたサービスを自社のサーバーではなく、こうしたクラウドサービスで構築することが主流となっています。
そうした中、世界最大手のAWSで通信障害が発生。アマゾンの発表によると、アメリカの一部地域で、SNSプラットフォームや銀行などの金融機関を含む1000以上のアプリやウェブサイトが、通信障害の影響を受け、一時は2500社にその影響が及んだといいます。複数のオンラインゲームなどが一時使えなくなったほか、米デルタ航空や米ユナイテッド航空でも「チェックインができない」などの苦情が相次ぎ、一部の便では遅延が発生しました。
その後アマゾンは21日には、「全てのサービスが通常の運用に戻った」と発表しています。内部のシステムエラーが原因であり、サイバー攻撃など不正行為の形跡は確認されていないとしています。
サイバーセキュリティの専門家で米ノートルダム大学教授のマイク・チャップル氏は、「主要クラウド提供企業がくしゃみをすれば、インターネットは風邪を引く」「まるでインターネットの大部分が一時的に記憶喪失に陥ったようだ」などと指摘しています。
一方、日本国内でも同時期に、通販大手のアスクルがサイバー攻撃を受けてシステム障害が発生。商品の受注などを停止し、配送の一部を委託している無印良品やロフト、百貨店のそごう・西武なども、ネット販売を一時停止しています。アスクルは注射器や手術用の刃物など医療機関向けの商品も幅広く取り扱っており、「医療の一部が滞るのは間違いない」との声も上がっています(10月21日付テレ朝NEWS)。
個人情報や顧客情報などが外部に流出したかどうかは現在調査中で、今なお復旧のめどは立っていません(23日時点)。9月末にはアサヒグループでも同様の被害が起きており、注目を集めています。
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