《ニュース》
妊婦が車にひかれて死亡し、その胎児が重度の障害を持って生まれた事故をめぐり、遺族である夫が、従来の「胎児は人ではない」とする法運用に対し、「胎児も被害者」として罪を問うよう訴え、波紋を呼んでいます。
《詳細》
今年5月、愛知県一宮市で妊娠9カ月の31歳女性が車にはねられて死亡しました。事故後に、帝王切開で生まれた女児は、身体に酸素が届かない状態が続いたことで脳に重い障害を負い、意識不明の状態が続いているといいます。人工呼吸器が必要で、回復する見込みは低いと報じられています。
車を運転していた50歳の女性は現行犯逮捕され、6月に起訴されたものの、内容は妊婦に対する自動車運転処罰法違反(過失運転致死)のみで、女児に対する罪は問われていませんでした。刑法では、母体から出る前の胎児は「人」ではなく、「母体の一部」と見なされ、原則、被害者とはなりません。
これに対し遺族の夫は、女児についても被害者として認めるよう、検察側に要請。オンラインで署名活動を行い、約1カ月で11万筆以上集め、初公判が行われた9月2日に提出するなどしました。
検察は今後、女児の被害についても罪が問えるかを判断するため、補充捜査をすると明らかにしています。
母体への傷害と、胎児の死亡との間に明確な因果関係が確認できる場合などに限り、過去には一部、胎児への罪も認められたケースもあります。こうした判例も考慮した上で今回、どのような判断になるか注目が集まっており、13日付読売新聞も「『胎児も被害者』の訴えは重い」との社説を掲載。「胎児は『人』とみなさないという、従来の法運用に対する問題提起でもある」としています。
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