《ニュース》

経済産業省が企業の国内投資を後押しするため、投資額の一定割合を法人税額から差し引く「税額控除」や、設備投資にかかった経費を100%即時に減価償却できる「即時償却」などの導入を検討していることが、26日付読売新聞によって報じられました。

《詳細》

税額控除は、新たな設備投資減税の位置づけであり、投資規模に要件はつくものの、企業の大小は問わない方針だと言います。

また、通常の減価償却では、取得した資産の耐用年数に応じて取得価額を分割し、何年にもわたって少しずつ費用として計上していきます。

一方、「即時償却」ができるようになれば、企業は設備投資にかかったコスト(取得価額)の全額を、一気に費用として計上することができるようになります。

その結果、設備投資のコストが課税所得から引かれるため、企業は払う税金が安くなります。これにより、企業の手元に残るお金が増え、さらなる投資の拡大が期待されます。

経済産業省はこの「即時償却」などの減税措置の導入を、2026年度から5年間の時限措置として求めており、8月末にまとめる「税制改正要望」に盛り込む方針です。

税制改正要望は毎年8月末を目途に、各省庁や企業、団体から財務省に提出されます。要望内容を財務省・政府税制調査会が検討したのち、与党税制調査会が12月中旬に「税制改正大綱」として発表し、内閣が閣議決定します。その後、政府が税制改正法案を国会に提出し、国会で審議され成立した法案は翌年度の4月1日から施行されます。

与党は衆参両院で過半数を割っているため、即時償却など新たな税制の導入には野党の理解が不可欠となります。

今回、日本でも「即時償却」が議題に上ったことは、トランプ米政権が7月4日に成立させた超大型減税法「One Big Beautiful Bill(OBBB。一つの大きくて美しい法)」が世界に多大な影響を与えている事例の一つと考えられます。

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