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ウクライナ戦争が勃発して以来、ウクライナで初めてとなる大規模な反政府デモが起きています。ゼレンスキー政権が汚職対策機関の独立性を制限しようしたところ、国民の怒りが爆発しました。

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騒動の発端は、「汚職を捜査する国家汚職対策局(NABU)と、訴追権限を持つ特別汚職対策検察庁(SAP)を検事総長の指揮下に置き、政府の統制を強める」趣旨の新法をつくろうとしたことです。

戒厳令下で集会の開催が制限され、逮捕されるリスクもある中、当局の発表によると、首都キエフやハリコフなど20以上の都市で、1万人以上が抗議するデモが23日に発生したといいます。

英BBCは、「参加者らは歌やスローガンを唱え、『恥を知れ』、『12414(※新法を指す)は(ジョージ・オーウェルの)1984のようだ』、『議会は寄生虫の巣窟だ』などと書かれたプラカードを掲げた」「NABUとSAPは大統領の監督下で活動することで、政府に近い有力者が捜査の対象から外れるのではないかとの懸念が広がっている」などと伝えました。

同時に、ドイツやフランスなどからも、汚職撲滅を後退させかねない法案を非難する声が上がりました。

これらを受けてゼレンスキー氏は方針転換を余儀なくされ、汚職対策機関の独立性を回復させる法案を24日に提出。しかし、同法案は中身が伴っておらず、デモ参加者らは方針の修正ではなく、法律そのものの撤回を訴えています。

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