《ニュース》
米紙ニューヨーク・タイムズ電子版はこのほど、中国はウクライナ戦争以降、友好国であるロシアの軍事機密を盗むために、ロシアにハッキングを繰り返し仕掛けてきたと報じました(19日付)。
《詳細》
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が、両国の協力と友好を宣言する中で、中国政府とつながりのあるハッカー集団は、ロシアの企業や政府機関へのハッキングを続けています。ハッキングは、ロシア-ウクライナ戦争が始まって数カ月後の2022年5月から加速し始めたといいます。
中国とロシアは、2009年と2015年の協定で、「互いにハッキングを行わない」と誓約していますが、それにもかかわらず、中国はロシアを"脆弱な標的"として狙いを定めているようです。
台湾のサイバーセキュリティ会社TeamT5によると、2023年に「三洋」という中国のグループが露原子力潜水艦に関する情報を入手するため、ロシア大手エンジニアリング会社のメールアドレスを偽装してハッキングを仕掛けていました。また他にも、中国政府から資金提供を受ける別のグループが、ロシア政府系のハイテク複合企業ロステックの衛星通信、レーダー、電子戦に関する情報を狙っていたケースもあり、またロシアの航空業界や政府機関にハッキングしたグループもあったといいます。
中国は独自の科学・軍事技術を有しているものの、中国軍に戦場経験が足りないため、ウクライナ戦争を現代の戦術、西側諸国の兵器、自国に不利な点に関する情報を収集する上での好機と捉えています。
ロシア当局は、中国によるハッキングを公式には認めていません。しかし、ロシアの国内治安機関の機密防諜文書には、ロシアの情報当局が懸念を抱いていることが示されていました。その文書を入手したというニューヨーク・タイムズ紙によると、ロシア情報当局は「中国がロシアの防衛専門の知識と技術を求めており、ウクライナにおけるロシアの軍事経験から学ぼうとしている」と分析。中国のことを「敵」と呼び、中国が特にドローン戦争とソフトウェアに関心を持っていることなどが文書に記されていました。
《どう見るか》























