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トランプ米大統領が「一つの大きく美しい法案」と呼んだ大注目の減税・歳出法案が、米下院で可決されました。

《詳細》

法案は、トランプ第一次政権時に導入し、今年末に期限が切れる「所得税減税を恒久化」し、新たに「チップと残業代への課税を2028年末まで免除」します。ホワイトハウスによると、年収3万ドル(約430万円)から8万ドル(約1100万円)の所得層は、約15%減税されるといいます。また米大統領経済諮問委員会は、400万人以上の新規雇用と、典型的な中流世帯の年間収入が9000ドル(約130万円)以上増えると予測しています(19日付米フォックス・ビジネス)。

そのほかに、「ボーナス減価償却の復活(設備投資の減価償却の即時償却を可能にする)」や、「アメリカで組み立てられた自動車の購入者への自動車ローン金利の税控除」、「鉱物資源開発の促進」、「新生児1人につき1000ドルを支給して、米国株に投資する『MAGA口座』の導入」などの経済成長の促進を明記。前政権が進めた「再生可能エネルギーへの税控除」や「納税者負担による未成年者の性転換支援」などの左派政策を廃止した上で、低所得者向け公的医療保険「メディケイド」につけこむ不法移民の排除などの歳出削減を含んでいます。

減税規模は10年間で総額4兆ドル(約600兆円)となる一方、財政悪化を抑制すべく、少なくとも1.5兆ドル(約220兆円)の「非常に大規模な政府支出の削減」も盛り込まれました。

トランプ氏が大統領選で訴えた公約の実現が近づき、共和党への追い風となるでしょう。トランプ政権は、同党が53対47で過半数を占める上院(定数100人)での可決を急ぎ、7月上旬には成立させたい見通しです。すでにチップへの課税廃止については、民主党の「予想外」の支持を得て、単独法案として上院に承認されています。

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