《ニュース》
2024年3月に鹿児島県伊佐市のメガソーラー施設で発生した火災の出火原因が、リチウムイオンバッテリーの内部でショートが起きていたことだったと発表されました。
《詳細》
この火災は24年3月27日、通行人から「建屋から白煙が出ている」との通報があり、発覚しました。消防隊が現場に駆け付け、煙が充満した建屋で排煙装置を設置していた時に大爆発が起こり、建屋は炎上。炎や熱風、衝撃を受けて消防士4人が負傷し、手や顔にやけどを負いました。
現場の100メートル先には民家があり、延焼が懸念されましたが、電気設備であるために感電の恐れがあり、水による消火活動ができず、自然鎮火を待つのみとなりました。結局、翌日28日の14時頃に鎮火が確認されています。
伊佐湧水消防組合は、今月19日の発表で火災の原因は建屋のバッテリーのショートだと分かったものの、ショートが起きた原因は、「焼損が激しく不明」としています。バッテリーが何らかの理由で過熱したことで、可燃性の空気が建屋に滞留し、火花や炎が引火したために爆発が起きたとみられています。
このメガソーラーでは、日中発電した電気を韓国LG化学製の蓄電池に貯め、夜間に売電するという国内初のシステムで運用されていました。LG化学製の蓄電池については、23年12月にも横浜市の小学校の太陽光発電施設で発火事故が起きていました。
同組合は「電路が遮断されない中で爆発、延焼し、消火活動ができない困難な事案だった」としています。このように、メガソーラー火災の場合、「太陽光が当たっている限り発電するため、感電の恐れがあり、近づけない」「放水車が使えない」など、消火活動は困難を極めることが少なくありません。
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