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今年2月、日本海側で記録的な大雪となったことについて、気象庁の検討会はこのほど、地球温暖化が影響した可能性があるとの分析結果を発表しました。

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今冬は平年より気温が低く、降雪量も日本海側で平年より多くなりました。特に2月は強い寒波が二度、襲来。北海道帯広市で12時間に120センチの雪が降り、気象庁の統計開始以降最大値を更新しました。

気象庁は18日、「異常気象検討会」を開催し、今冬を含む気象の分析結果を公表。会長の中村尚・東大教授は「かなり稀な現象だ」との見解を示しました。

寒波については、寒気と暖気の境目にある偏西風が南に蛇行したことで、冬型の気圧配置が持続しやすかったことが主な原因だ、と発表されました。

こうしたなかで大雪が降ったことについては、「温暖化の影響で気温や海面温度が上がり、水蒸気が増えた分だけ、雪の量が増えた」と説明されました。その因果関係は、気象庁気象研究所などが、気候モデルによるシミュレーションを用いた「イベント・アトリビューション」という手法で速報的に分析したものです。

発表された資料には「東北地方から東日本にかけて平均した2月3日から9日の7日間の積算降雪量は、地球温暖化によって約6%増加していたことが分かりました」と記されています。

中村教授は「シミュレーション結果では、今回の大雪は明らかに地球温暖化の影響があった。水蒸気が多い中で強い寒波が起きると、雪が増える可能性がある」「温暖化は間違いなく続いていく。その影響で雪の量が増えることは想定して備えなければならない」と訴えました。

異常気象が観測されるたびに、地球温暖化との関係に言及する研究機関発表や報道が出てきますが、その時に必ずと言っていいほど使われているのが「イベント・アトリビューション」という分析手法です。しかし、ここにはさまざまな問題があります。

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