2025年3月号記事
もらってばかりの人生は駄目!
バラマキ亡国論
良識ある人は、「バラマキは人間の精神を蝕む」と考えているだろう。
先月号に続き、『なお、一歩を進める』の視点から、この問題に向き合う。
contents

もらってばかりの人生は駄目! バラマキ亡国論 ──『なお、一歩を進める』の読み方② - Part 2 「教育で格差が生まれる」は本当か 教育無償化の根拠を問う
「教育で格差が生まれる」は本当か
教育無償化の根拠を問う
「教育格差」が大きな政治問題になってきている。教育格差とは、「生まれた家庭や地域によって、受けられる教育の機会や質に差が出ること」を指す。
政府と自治体はその時流に乗っかり、"少子化と経済問題を一挙に解決できる"と見て、教育予算を大幅に増やし、有権者にアピールしている。子供に学歴をつけたい多くの親も、補助が増えることに心が揺さぶられている。
学歴と年収は関係があるか?
一般的に、親が子供の学歴を求めたがるのは「偏差値の高い大学に行けば収入が上がる」と考えているからであり、受験競争が熾烈化している。下図が示す通り、確かに難関大学出身者は年収が高いように見える。だが冷静に考えなければならないのは、「(1)偏差値の高い大学に行った結果として、年収が高くなったのか(因果関係)」、あるいは「(2)高い年収を得られる潜在能力を持つ人が、偏差値の高い大学に進学したのか(相関関係)」という点である。
多くの人は「学歴と年収には因果関係がある」という前者の(1)を支持しているが、近年の経済学の研究では、後者の(2)が有力視されており、「因果関係があるとは言えない」と分析されている。一体どういうことか。
出身大学別の想定年収(45歳時点)(万円)

出所:OpenWorkの働きがい研究所による「出身大学別収入ランキング2022」
潜在能力が高い人が「結果的」に難関大学に進学
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かつての日本には、「正論」が堂々と存在した