《ニュース》
岩屋毅外相は就任後初めて中国を訪問し、王毅(ワン・イー)外相(共産党政治局員)と会談しました。双方が共通の利益を拡大していく「戦略的互恵関係」の推進を確認し、岩屋氏は中国人のビザ緩和措置を発表しました。
《詳細》
岩屋氏は会談後、一定期間内なら何回でも観光で来日できる「観光数次ビザ」について、富裕層を念頭に10年間有効とする観光ビザを新設する、団体観光ビザの滞在可能日数を15日から30日以内に拡大するなど、5項目の中国人向けビザ緩和措置を実行すると発表しました。
これは、中国が日本人向け短期ビザの免除再開に約4年半ぶりに踏み切ったことに応えたものであり、日中双方の人的交流を活発にし、「相互理解」を深める狙いがあったともされています。
中国の習近平政権も、対中追加関税の強化を掲げて対中強硬路線を鮮明にするトランプ米次期政権に対抗するべく、石破政権に接近しています。26日付日本経済新聞が報じた「以前は中国との会談はセットに苦労したが最近はスムーズに行く」という外務省幹部の言葉もそれを示唆しています。
また26日付読売新聞は「外交儀礼上は王氏が今回、来日する番だったが、岩屋氏は自ら先に訪中のカードを切った」と指摘していますが、中国に、岩屋氏は日中友好を重視する姿勢が強いと"評価"されたことでしょう。
一方、海上保安庁によると今月、「中国気象局」などと書かれたブイが沖縄県の与那国島南東で見つかっています。岩屋氏は王氏にブイ撤去を求めましたが、中国側は応じていません。
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