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アメリカ司法省が、ニューヨーク在住の中国系アメリカ人の60代の男について、中国政府が「在外警察署」を開設する際に共謀していたことを認めたと発表しました。

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この男性は2023年、中国系アメリカ人の50代の男と共に、中国政府の代理人として行動した疑いと司法妨害の疑いで逮捕され、訴追されていました。

2人が開設して運営していた「在外警察署」は、中国系の飲食店やホテルが集まるチャイナタウンの中の、6階建てのオフィスビルの3階に設置。2013年に立ち上げた当初は、「福建省福州市出身者の交流の場」と掲げ、慈善活動の非営利団体として始まっていました。

ところがその後に警察拠点へと鞍替え。FBIの捜査対象となったことを受けて、22年秋には閉鎖されました。司法省は、両者が中国公安部の担当者と交わしたテキストメッセージを削除していた、と指摘しています。

中国政府は、こうした在外警察署について「外国で暮らす中国国民のための『サービスセンター』だ」と説明していますが、実際には、中国からの逃亡者や家族に嫌がらせをしたり、中国の民主活動家の居場所を特定し、中国政府に不都合な活動を妨害、遮断することが主な任務と見られています。

ニューヨーク連邦地検などによると、男の1人は2022年、中国の公安当局からの指示で、カリフォルニア州に住む中国人の民主活動家の居場所を特定していました。

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