「北朝鮮の次の挑発行為が迫っているようだ」

9日、米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)パシフィック・フォーラムのラルフ・カッサ代表が講演でこう述べた。実際、北朝鮮の核やミサイルの開発の動きが目立ち始めている。

韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)国防相が13日、国会の国防委員会で、北朝鮮が核の小型化・軽量化におそらく成功したとの見方を示した。小型化が実現すれば、ロケットへの核弾頭搭載が可能になる。小型化成功を裏付ける証拠はないものの、金国防相は「前回の核実験(2009年5月)から時間が経過している」ことを理由としている。北朝鮮はそれ以前にも2006年に核実験を実施しているものの、いずれも失敗に終わったと見られており、近く東海岸の試験場で3回目の核実験を準備しているとの観測も浮上している。

さらに金国防相は、北朝鮮が平安北道鉄山郡東倉里(トンチャンリ)の第二長距離ミサイル発射基地完成を目前にしており、これは既存の咸鏡北道舞水端里(ムスダンリ)の基地より規模が大きく、精巧だと明らかにした。

10日には、米国の民間機関「科学国際安全保障研究所(ISIS)」が北朝鮮北部の寧辺(ヨンピョン)の核施設の最新の衛星写真を分析した結果を公表。同施設では2009年4月以降、ウラン濃縮などに関する新たな建物の建設や改修が行われており、ウラン濃縮やウラン転換能力の増強を図っている可能性がある。

また、米国防総省は13日、5月26日にミャンマーに向かっていた北朝鮮の貨物船が米海軍駆逐艦の臨検要求を拒否し、北朝鮮に戻ったことを報じた。この貨物船にはミサイル部品を積んでいた疑いがある。14日付け朝鮮日報によると、米軍縮専門家ジョシア・ポラック氏は「北朝鮮が1987年から2009年にかけて海外に輸出した弾道ミサイルは510件。シリア、イラン、エジプト、パキスタン、リビア、アラブ首長国連邦、イエメンの少なくとも7カ国にミサイルを輸出した」と分析している。これにミャンマーが加わると、中国とこれら北朝鮮の協力国によるインド包囲網ができ上がる。

14日付け朝鮮日報によると、前述の金長官は、有事の際の韓国の攻撃能力について「制限事項が多少あるものの、問題はないと考えている」と語り、「核弾頭搭載の動きがある場合、これをすべて把握できるか」という質問に対して「そうだ」と答えた。

だが、2009年に北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したことを考えれば、日本も他人事ではない。韓国と同様、有事の際の攻撃能力を備えておくと同時に、韓国やインドと同盟関係を強化しておくことが必要だ。どちらの関係も双方にとって有益となる。(吉)