2025年2月号記事

日本のガラパゴス保守

日本で常識化している保守派の考えは、世界基準から見て通用するのだろうか。


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日本のガラパゴス保守 - Part 2 大きな政府を広げる「エセ保守」に要注意!


Part 2

大きな政府を広げる「エセ保守」に要注意!

なぜ日米の保守派の考え方がここまで異なるのか。

国家のあり方には、『小さな政府』と『大きな政府』という二つの選択肢があります」という指摘があるように(*1)、各党が目指す「経済政策の考え方」に起因していると見ていい。

「大きな政府」とは、社会主義や福祉国家に象徴されるように、「政府が丸抱えで物事を判断し、国民の面倒を見る」という考え方を指す。よって、社会保障の充実や格差是正を訴える左翼政党が好む路線である(*2)。

一方、世界の伝統的な保守派は「小さな政府」の路線をとり、政府の仕事は必要不可欠なものに限り(国防や外交など)、「民間ができることは民間でやればいい」というマインドを持つ。個人の自由を最大限守る立場に立つため、「税金や規制はできるだけ少ない方がよい」と志向する。

これを軸にすれば、日本では保守派に限らず、政治家はほぼすべて「大きな政府論者」と言わざるを得ず、有権者の選択は幸福実現党を除けば、「大きな政府しかない」。

米保守派からすれば、大きな政府論者はエセ保守(名ばかり共和党員)に当たり、「自民党は本当は左翼政党ではないか」という疑念が出て来るのである。

(*1)《大川隆法政治講演集2009第3巻》『日本の夜明けに向けて』(幸福実現党刊)
(*2)例えば、日本の国会で議席を持つ政党の多くは「教育無償化」を訴えている。しかしこれはマルクスの『共産党宣言』に起源を持つ基本方針であり、保守派なら本来抵抗しなければならない。

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
 
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なぜ政府はすぐに肥大化するのか

「新しい保守」が日本に必要だ

しがらみで沈む日本 しがらみを壊すアメリカ