《ニュース》
経済産業省が2024年度中に策定する予定の第7次エネルギー基本政策で、原発の新増設を明記する方針であることが報じられました。
《詳細》
エネルギー基本政策は、電力政策の骨格であり、およそ3年に一度見直されています。2021年の第6次計画では、日本が「温室効果ガス46%減」を目指す2030年度に、「火力41%、再生可能エネルギー36~38%、原子力20~22%」とする計画を策定していました。
日本では、東日本大震災以降、原子力発電所の再稼動が進まず、石油燃料を消費する火力発電の割合が8割以上を占める時期が長く続きました。その間、燃料費の高騰で電気代が上昇し続けており、家計や企業を圧迫。2023年度の原発の発電比率は7.7%にとどまっています。
これまで、エネルギー基本計画には、原発の再稼動や、建て替えを念頭に置いた次世代型の原子炉の開発や建設を進める方針は記されていました。今回の第7次計画では「原発の新設や増設」も検討することが盛り込まれることになるといい(18日付 NHK NEWS WEB)、この内容が明記されるのは2010年の第3次エネルギー基本計画以来となります。
また、第7次計画では、「2050年のカーボンニュートラル」というパリ協定の目標を達成するため、2040年度に、再エネの比率を火力よりも増やし、主力電源とするシナリオを示す方向といいますが、各電源のコストや技術革新の進展も見通しにくいため、「複数のシナリオで異なる電源構成を示す」という異例の対応を検討しているとも報じられています。
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