2024年12月号記事

ニッポンの新常識

軍事学入門 53

自衛官不足では、国は守れない

世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」をお届けする。

ロバート・D・エルドリッヂ

エルドリッヂ研究所代表

ロバート・D・エルドリッヂ

1968年アメリカ生まれ。米リンチバーク大学卒業後、来日。神戸大学法学研究科博士課程後期課程修了。政治学博士。大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授、在沖縄米海兵隊政務外交部次長を経て、現職。共著に『一緒に考えよう! 沖縄』(幸福の科学出版)や、著書に『人口減少と自衛隊』(扶桑社)など多数。

私は長年、人口減少が自衛隊の人手不足問題(2023年度の採用率は過去最低の51%)に拍車をかけると警鐘を鳴らしてきました。日本政府は対策に乗り出していますが、遅きに失しており、かつ内容も不十分です。人手不足問題は、以前よりも深刻化していると考えます。

拙著『人口減少と自衛隊』では、人口減少時代を生き抜くために、15個の解決方法を提示しました。例えば「自衛隊の給料アップ」「定年の引き上げ」「採用条件の引き下げ」「予備自衛官数の拡大」「女性自衛官の倍増」「海外の任務削減」などを挙げました。

これらはすぐにでも実行可能です。ただし、アメリカ出身である私の眼から見れば、「日本のカルチャーの洗い替え自体が必要だ」と感じます。