《ニュース》

人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチがこのほど、在日中国人が当局から受けた圧力や嫌がらせについての証言を報告しました。中国政府を批判する活動を行っている場合に、当局が親族を経由して警告するなどの実態が明らかになっています。

《詳細》

同団体は、日本在住の中国人25人に、中国当局から受けた圧力について聞き取り調査を行いました。この報告によれば、当局は反政府デモや政治的な行事に参加させないための圧力をかけたり、他の在日中国人に関する情報提供を求めてきたといいます。

証言した多くの在日中国人は、中国の警察が、中国在住の親族に連絡し、日本での政治活動を止めるよう圧力をかけてきたと証言。ある親族は現地警察から、「(在日中国人が)今後デモに参加しない」と宣言する文書に署名するよう要求されましたが、「一度サインしたらどんなことになるか分からないので、サインしなかった」といいます。

また、あるウイグル出身者の親族は突然、ウイグルに帰るよう促してきたと言います。断っていたところ、警察が電話に出て、「親族の言うことを聞いてさっさと帰ってこい。さもないと家族がどうなっても知らないぞ」と脅してきたといいます。

他にも、2022年に中国国内で、中国共産党政権のゼロコロナ政策を批判して白い紙を掲げて抵抗した「白紙革命」が起きた際、在日中国人が東京都内で同様の活動を企画していたところ、中国大使館が止めるよう連絡してきたといいます。中国大使館はこの在日中国人が通っていた日本語学校にも連絡していました。在日中国人は中国人講師から「活動を止めるか、退学すべき」と迫られ、退学を選んでいます。

こうした報告を受け、ヒューマン・ライツ・ウォッチは「日本政府は中国出身の人々に対する中国政府の監視や脅迫をやめるよう求めるベき」と提言しています。

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