広瀬めぐみ・前参院議員(自民党を離党)の辞職に伴う参院岩手選挙区の補欠選挙(10月10日告示、27日投開票)を控え、幸福実現党の松島弘典(まつしま・ひろのり)総務会長が25日、岩手県庁で会見し、補選への出馬表明を行った。
松島氏は、岩手県盛岡市出身。盛岡市立仙北小学校、盛岡市立仙北中学校、岩手県立盛岡第一高校、東京都立大を経て、三菱商事に入社。ナイジェリア三菱商事の勤務を経て、宗教法人・幸福の科学に奉職。理事長、拠点開発局長などを歴任し、2019年から現職を務める。
学生時代に、11年間、器械体操に取り組み、東北インターハイや東日本インカレなどに出場した経験を持つ。
会見で、松島氏は「最も訴えたいことは、『小さな政府、安い税金』『バラマキは増税のもと』。不祥事によって自民党候補が出ず、立憲民主党の候補が出る中で、どちらの政策が日本のあるべき姿であるかを見ていただきたい」と語った(【関連記事】際限のないバラマキに「待った!」 幸福実現党が「小さな政府・安い税金」議連を立ち上げ 政府の仕事の減量、減税、規制撤廃で「自由の創設」を目指す)。
幸福実現党が今年8月に設立した「小さな政府・安い税金推進議員連盟」のロゴマーク(左)と、政策ポスター。
また、「『政治不信』という言葉があるが、そもそも『政治とは汚いもの』という意識も一部に広がっている。『宗教政治家』は神仏を信じているのでウソはつかない。宗教心、道徳、精神性が大事だということを分かっていただきたい。自分の心、欲心を統御できない人がトップに立ってはいけない」などと指摘した。
(松島ひろのり公式X https://x.com/matsushima_hiro)。
会見では、具体的な政策として、主に、(1)バラマキ政策を止める、(2)規制緩和で経済成長を目指す(「働き方改革」の見直し、農業規制の緩和、脱炭素政策の見直し)、(3)国防強化で正義ある平和を実現、の3つを示した。
以下は、松島氏の会見の要約。
(1) バラマキ政策を止める──「チャンスは平等」「結果は公平」を社会のベースに
バラマキをする政党が多いが、バラマキの原資は私たちの税金。税金がばら撒かれている。これに強く反対する。このままバラマキが続けば、増税、重税国家になることは間違いない。
そうすると、個人・社会に活力がなくなっていく。「結果平等」を求めたら、真面目にやる人は減っていく。あくまで、「チャンスは平等」「結果は公平」を社会のベースにしたい。
法人税は10%。所得税の累進課税は段階的に引き下げていき、最終的には10%台のフラットタックスにしたい。一番、平等であり、公平なのが、フラットタックス。全員に収入の10%という形が平等で、多く収入のある方は払う税金も多くなり、公平だと思う。
税制がシンプルになり、会社などを節税などで煩わせなくなる。
(2) 規制緩和で経済成長を目指す──規制で手足を縛られたまま、「思い切り、走れ」と言われても走れない
次に、「規制緩和」を徹底的にやっていきたい。規制によって手足を縛られたまま、「思い切り、走れ」と言われても、走れるものではない。世界の厳しい競争の中で、日本が取り残されていくことになる。
過去には、政府によってバブル潰しが行われた。「土地の総量規制」「金融引き締め」で縛りに縛りをかけて、当時、元気のよかった日本経済を「おかしい」と決めつけて、バブルを潰して、30年間、経済成長していない。これを変えていきたい。
平成の頃には、名目GDPが、アメリカを超えて1位になるかと言われていた状況が、今では中国、ドイツに抜かれて4番目。今後、インドやブラジルにも抜かれていくと言われているが、私たちの子供たちの世代には、元気な日本を残していきたい。
「規制緩和」の具体的な例としては、主に3つの分野に力を入れたい。
1.「働き方改革」の見直し(残業規制の撤廃)
まず、「働き方改革」を見直す。ある一定の時間を超えたら"罰金"を払うということだが、そもそも働く時間を政府が決められるものか。例えば、10時間は働いていいけど、11時間働いたら罰金というのは、「働くことは悪いこと」と言っているのと同じ。
大谷翔平選手に、「身体に悪いので二刀流してはいけない」「ピッチャーとバッターの練習は合わせて2時間までの制限です」とか、そんな規制をかけることが果たして許されるものか。
2.農業規制の緩和(減反含む)
次に、「農業」の規制緩和。特に、「減反」について述べたい。コメがなくて、米価が高くなっている。その原因は、減反にあると思う。
現在、水田は約4割を減反されている。「備蓄米を出せ」という声も出たが、政府は「備蓄米は出さない」と言った。備蓄米が1.5カ月分しかないというのが実態。14億人いる中国は2年分あると言われている。有事が起きたら大変なことになるが、これも減反でコメの生産を止めていたから。
「コメを作らなければ、お金をもらえる」というのはおかしい。そういう職業に、若い人は魅力を感じない。後継者がいない原因もここにあると思う。このような天の摂理に反するようなことはやってはいけない。
また、農地法で、土地の売買を制限されている。農家を守っているかもしれないけど、農業は守られていない。
商社時代に、海外40カ国ぐらいを回ってきたが、日本の食材が一番おいしい。コメだけでなく、リンゴ、イチゴ、モモ、サクランボ、肉も寿司も、世界一おいしい。日本の農業は本当に素晴らしい。やり方によっては、最大の輸出産業になりうるポテンシャル持っている。
それが農地法などの規制によって、農地の集約や大規模化が進められない原因にもなっている。
3.脱炭素政策の見直し
そして、「脱炭素」の見直し。「2030年までに温室効果ガスの排出を、2013年度比で46%削減する」ということで、各企業がどれほどのお金を使わないといけなくなっているか。どれほど経済の足を引っ張っているか。
もっとも二酸化炭素を出している中国への規制はずっと先延ばし。日本は自分たちで、どんどん経済成長へと向かわないようにしている。これを大胆な規制緩和で変えていく。
「再生可能エネルギーを推進しよう」ということで、今、「再エネ賦課金」で上乗せして、家庭の電気料金も高くなっている。しかし、風力は風に、太陽光は太陽に左右され、安定的な電気の供給ができない。
安定的な供給ができず、電気代が高いとなれば、日本の製造業はますます落ちていく。(再エネの開発によって)全国的にも、土砂災害などの問題も起きている。
(3)国防強化で正義ある平和を実現──クーデター未遂時、日本大使館から「アメリカ大使館に逃げなさい」と言われた
最後に、「国防強化」。「正義ある平和」を目指していく。政府の一番の仕事は、「国民の生命・安全・財産を護る」ということにある。
三菱商事勤務時代、アフリカのナイジェリアに3年半、家族を連れて赴任していた時、軍事政権下でクーデター未遂が起き、戒厳令が敷かれ、外出できない状況に陥った。
当時、日本人は260人ぐらいいたが、ある時点で、日本大使館から電話があり、「このままクーデターが泥沼化して本当に危険になったら、日本大使館でなく、アメリカ大使館に避難してください」と連絡があった。
その時、周りの人と「日本でなく、アメリカに税金を払いたい」という話をした。拉致問題もそうだが、日本は海外で働く人に対して、身の安全を守ろうとしない。国家として本当に恥ずかしいこと。
今、世界で戦争、軍事的な危機は3つある。ロシア‐ウクライナ、中東、そして、台湾と中国の問題。香港が中国に取り込まれ、次は「台湾」と言われている。その台湾に中国が侵攻してきたら、日本はどうするか。その法整備もできていない。アメリカは国交はないが、「台湾関係法」があり、台湾を守ろうとしている。
岩手出身者では、後藤新平、新渡戸稲造が台湾の近代化に活躍した。台湾を守ることは、イコール、沖縄を守り、日本を守ることそのもの。台湾を取られたら、シーレーン(海上交通路)は、中国に取られ、石油なども入ってこなくなる。
日本は「日台関係法」をつくり、台湾を守るべき。憲法9条を改正して、日本は「軍隊を持つ」とはっきり明記しないといけない(【関連記事】幸福実現党が台湾の立法院で「台湾関係法 試案」を発表 「日本と台湾は『自由、民主、信仰』の価値観を共有し、普遍の価値を守り抜くパートナーである」と宣言)。
次の世代に国を残していく、国民を守る、ということに責任を持っている政府は、今のままではいけない。現在の日本国民と同時に、未来の日本国民も守っていかなくてはいけない。そうした世界に通じる普遍的な正義の下に、平和が築かれるべきだと思う。
政治は、大きく未来を変えていく力を持っている
最後に、「神なき民主主義」「モラルなき民主主義」「欲望の民主主義」になってしまったら、恐ろしい世界が展開する。独裁者ヒトラーも民主主義から生まれた。
また、「愛国心なき国家」というのも存在しなくなる、ということを訴えたい。
「政治不信」がずっと続いているが、その不信は、政治家が「嘘をつく」というところから来ていると思う。そもそも「政治とは汚いもの」「政治家は権力を握ろうとしている」などという意識も一部に広がる。
でも、「宗教政治家」は神仏を信じているのでウソはつかない。宗教心、道徳、精神性が大事だということを多くの方々に分かっていただきたい。自分の心、欲心を統御できない人がトップに立ってはいけない。
政策以上に大事なのは心。心が前提にあって、政策として、どういう日本を目指していくのかという未来の絵が描かれないと、子供たちは未来に対する希望が持てない。
政治は、大きく未来を変えていく力を持っている。モノの部分もそうだが、もっと「精神」「心」「魂」というものを豊かにしていく日本にしていきたい。
【関連サイト】
松島ひろのり公式X
幸福実現党
【関連書籍】
『幸福実現党 立党の原点』
幸福実現党 編 幸福実現党刊
【関連記事】
2024年8月31日付本欄 際限のないバラマキに「待った!」 幸福実現党が「小さな政府・安い税金」議連を立ち上げ 政府の仕事の減量、減税、規制撤廃で「自由の創設」を目指す
https://the-liberty.com/article/21643/
2024年9月9日付本欄 幸福実現党が台湾の立法院で「台湾関係法 試案」を発表 「日本と台湾は『自由、民主、信仰』の価値観を共有し、普遍の価値を守り抜くパートナーである」と宣言
https://the-liberty.com/article/21656/
2023年11月18日付本欄 台湾で肌で感じた、幸福実現党が掲げる「自由・民主・信仰」への大きな期待 【日台友好議連・台湾視察/特別ゲスト講演会レポート】