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「ロシアが超音速対艦ミサイルをイエメンの親イラン武装勢力フーシ派に供与するか」をめぐり、イランが秘密協議を仲介していると、25日付ロイター通信が関係筋への取材で明らかにしました。

《詳細》

フーシ派は昨年11月以降、中東の重要な航路である紅海や東地中海を航行する商船に対し、ミサイルやドローンでの攻撃を繰り返しています。

ロイターによると、ロシアは数十発の超音速対艦ミサイル「ヤーホント(P-800オーニクス)」をフーシ派に供与するかどうかはまだ決定していませんが、両者は今年少なくとも2回イランの首都テヘランで会談しており、今後数週間以内にさらなる会談を予定しているといいます。

ロシアがミサイル供与を検討していることは米紙などが報じてきましたが、イランが仲介していることはこれまで報じられていないとのことです。ロシアとイランはウクライナ戦争以降、特に軍事関係を強めています。

ヤーホントは世界で最も先進的な対艦ミサイルの一つと言われ、迎撃が困難とされています。専門家も、このミサイル供与が実現すれば、地域の安全保障にとって「ゲームチェンジャー(戦況を一気に変える)」になるだろうと指摘しています。フーシ派が紅海での攻撃能力を高め、商船を護衛する欧米の軍艦にとって脅威が高まることが懸念されています。

ロシアがフーシ派に武器の供給を検討する主な動機は、「西側諸国が、ウクライナに武器を使ってロシア領土をさらに攻撃することを認める可能性があることだ」と見られています。ロシアはウクライナを支援する西側へのカウンターとして、中東の戦争を利用したい考えです。

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