2024年6月4日に世界各地で天安門事件35周年の追悼集会が行われ、米ロサンゼルスの中国総領事館の外では、キャンドルライトの追悼式が行われた(画像: Ringo Chiu / Shutterstock.com)。

 

2024年8月号記事

中国革命前夜──

第二の「孫文」が現れる日

中国では、バブル崩壊と並行し、経済統制や思想統制に憤る富裕層の海外流出が続く。
その強権の代償を払わされつつある習政権を待ち受ける運命とは──。

天安門事件から35周年となる6月4日、北京の天安門広場は厳戒態勢が敷かれ、香港でも国家安全維持法などにより追悼集会は開催できなかった。

犠牲者の遺族団体「天安門の母」は、ネット上で共産党政権に事件の真相公開と責任追及、被害者と遺族への賠償を訴えたが、政府は答えず、そのメンバーは厳重に監視されている。

革命の拠点は香港から海外に

追悼の場は海外に移り、東京では、6月3日に天安門事件の追悼集会が開催された。衆院第1議員会館内の会場では、事件発生日(8964)の形に並べられたキャンドルライトの周りに参加者が集い、犠牲者に黙禱を捧げる。その集会に参加したのは、在日中国人や国際人権団体に加入する日本人、国会議員など約160人だった。

台湾の台北市では、6月4日に市民団体などが追悼式を開催し、頼清徳総統はSNSで談話を発表。中国の独裁主義の拡大に対抗する決意を明らかにした。

 
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東京に集まる中国の知識人たち

習政権を見切った中国富裕層

革命の未来図は孫文の理念の中に