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パレスチナやアラブ諸国の政治家からなる代表団がこのほど、中国の新疆ウイグル自治区を訪問し、同地域における政策を称賛したことが批判を呼んでいます。

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3月28日付環球時報によると、パレスチナ自治政府主流派であるファタハのパレスチナ革命評議会議員率いるアラブ諸国の政治家で構成された代表団が、新疆ウイグル自治区を訪問しました。代表団にはパレスチナのほか、シリア、エジプト、レバノン、イラク、イエメン、ヨルダン、チュニジアなどの国から参加があったといいます。

代表団は3月27日にウイグル自治区トップである馬興瑞党委員会書記と会談しました。馬氏は新疆での"改革"に関する説明をし、現在の新疆は、経済的に成長しており、宗教・民族が調和し、社会が安定していると述べました。また、欧米諸国の一部が民族・宗教・人権問題についてのウイグル自治区に関する偽情報を広めているとも主張しました。

これに対しアラブ側の代表団は、新疆での政策が「創造的な統治措置」であり、「あらゆる民族が良好な生活を送り、完全な自由を享受し、笑顔で暮らしている」と称賛。中国による新疆政策についての欧米の批判は、中国弱体化のための嘘である、と中国側に同意しました。

しかし、この地域の専門家によれば、中国はウイグル人への迫害を隠すために何を見て何を見ないかをコントロールされていたといいます(3日付Radio Free Asia)。

そうした中で訪問団に政策を称賛させ、ウイグル政策を批判する欧米を牽制する狙いが中国にはあると見られています。

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