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2024年4月号記事
ウクライナから手を引き、
ロシアとよりを戻す
決定的となったウクライナの敗北。すでに欧米諸国は水面下で対ウクライナ・対ロシア外交を転換し始めた。
日本がとるべき外交戦略とは──。
contents
ウクライナから手を引き、ロシアとよりを戻す - Part 1 欧米の軍資金の引き上げが始まった
ウクライナが昨年6月に始めたロシアへの反攻作戦は大失敗し、勝利の可能性がなくなったウクライナ指導部はその綻びを隠せない(本誌2月号で詳述)。
戦争は消耗戦に突入。勝敗を決するのは経済力、国民の動員数、砲弾やミサイルの物量だが、そのすべてでロシアがウクライナを圧倒している。
国際政治アナリストの伊藤貫氏は、開戦前のロシアとウクライナの実質的な経済規模の差は「約8倍」だったが、その後、「ロシア経済は6%縮小し、ウクライナ経済は50%縮小した」結果、「15倍もの差が生じた」と指摘する(*1)。
(*1)月刊誌「表現者クライテリオン」2022年11月号。伊藤貫氏は購買力平価で見た実質GDPで経済比較を行っている。
ロシアは物量でウクライナを圧倒
またこれまで、軍事評論家らはロシア製の兵器の性能は低いと高をくくり、欧米の高性能兵器でウクライナは勝てると主張してきた。
だが、今の戦局ではドローンなどのハイテク兵器だけではなく、昔ながらの大砲などが勝敗を左右する。この場合、ローテクであろうと「量」がものをいう。その面でもロシアは西側の武器供与を圧倒している。
そして混乱を極めるウクライナ指導部と対照的に、プーチン露政権は客観的に見て盤石である。
プーチン大統領の支持率は今年1月時点で85%あり(*2)、24年度のロシア連邦予算で見込まれる財政赤字は歳入の5%以下で、財政はどの先進国と比較しても健全である。
欧米とウクライナが描いた「プーチン政権の崩壊」と「ロシアの弱体化」というシナリオは潰えたと言ってよい。
こうした戦況のなか、欧米諸国は対ウクライナ・対ロシア外交を事実上、転換し始めた。次ページ以降でその実情を紹介する。
(*2)独立系世論調査機関「レヴァダセンター」による調査結果。同機関はプーチン政権から「外国のスパイ」を意味する「外国の代理人」に指定され、圧力を受けながらも独自調査を続けている。
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
欧米の軍資金の引き上げが始まった
アメリカの方針転換が始まる
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