《ニュース》

11月に米大統領選を控える中、共和党の候補指名争いで初戦となるアイオワ州党員集会で15日、ドナルド・トランプ前米大統領が2位以下の候補者に大差をつけて勝利しました。

米内外のメディアが大きく取り上げています。

《詳細》

集会当日のアイオワ州は零下20度を下回る記録的な冷え込みとなり、全体の投票率は前回より大きく低下しました。

そうした中でもトランプ氏の得票率は50%を超過し、アイオワ州99郡のうち98郡で勝つという盤石ぶり。前評判で予想されていた通り、2位以下のロン・デサンティス氏(21%)、ニッキー・ヘイリー氏(19%)と約30%という大差をつけ、米CNNも「前例のない」勝利の水準だと報じています。

投票に先立つ14日にも、トランプ氏が投票を呼び掛ける集会に参加するため、数多くの支持者が各地から集い、寒空の下で開場前から列をなす様子が注目を集めていました。

アイオワ州での圧勝をめぐり、各メディアがその理由を分析しています。例えば2016年に同州の党員集会で敗北した経験を教訓に、トランプ陣営が「地上戦」に力を入れたことが指摘されています。

同陣営は初めての試みとして、各地区の責任者である「コーカス(党員集会)・キャプテン」を導入。有力な支援者から2000人余りがコーカス・キャプテンに指名され、彼らが有権者一人ひとりに向けて、党員集会に参加しトランプ氏を支持するよう呼びかけました。トランプ氏自ら、白い帽子に金糸で「Trump Caucus Captain」と書かれた帽子を被り、キャプテンたちと個別に面会もしたとのことです。

また、アイオワ州は福音派のキリスト教プロテスタント(Evangelicals)が多い地域であり、トランプ氏による4年間の政権運営を経て福音派の多くがトランプ支持に回ったことが指摘されています(党員集会に先立つ出口調査によると、アイオワ州の共和党員のうち3分の2が2020年の大統領選を「合法ではなかった」とみている)。

これらの分析に加えて、トランプ氏自身の言葉を白紙の目で振り返ると、「何が有権者の心を掴んだのか」が見えてくるでしょう。アイオワ州での初戦に先立ち、トランプ氏が10日に出席したFOXニュースによるタウンホール(対話型集会)は、生放送視聴者数が約430万人を記録するという注目ぶりを示しました。

以下、同タウンホールで上がった司会者と参加者による質問に、トランプ氏がどう答えたかを一部取り上げます。

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