2023年5月、バージニア州リッチモンドでクリーンエネルギー推進による未来ビジョンを語るカリフォルニア州のニューサム知事(画像: Sheila Fitzgerald / Shutterstock.com)。

《ニュース》

米カリフォルニア州が巨額の財政赤字を抱えながら、州内に住む全不法移民に健康保険を無償で提供し始めたことが議論を呼んでいます。

《詳細》

ギャビン・ニューサム知事(民主党)が指揮を執る同州では今年1月1日、滞在許可証を持たない全ての不法移民(undocumented immigrants)に向けた健康保険の提供が始まりました。全不法移民への提供は、全米でも初めてのことです。

「州民皆保険」を目指す同州は、これまでも、低所得者向けの公的健康保険「Medi-Cal(メディカル)」の不法移民への適用範囲を広げてきました。未成年から始まり、25歳以下の成人、50歳以上、そしてこの度、26歳から49歳まで適用範囲を拡大。滞在許可証を持たない全ての不法移民が対象となりました。

これによって、新たに70万人以上の不法移民が健康保険の提供を受けることになるとされ、全不法移民にMedi-Calを提供するには、毎年65億ドル(9000億円超)が必要になると指摘されています。2023年だけで、30万人を超える不法移民がメキシコとの国境からカリフォルニアに入ってきていることを踏まえると、支出はさらに増えることが確実視されます。

一方でカリフォルニア州は巨額の財政赤字に直面しており、大幅に支出を増やす前述の判断に対し、州内外から強い反発の声が上がっています。

同州の立法分析局(Legislative Analysts office)は昨年12月、来年度に、州として680億ドル(9兆円超)の財政赤字に陥ると予測。過去最大額だとして全米で注目が集まっています。

そもそもの前提として、カリフォルニア州はホームレスの数が全米で最多、高校卒業率や識字率も最低であるなど、貧困をめぐる深刻な課題を抱えています。滞在許可証を持たない不法移民への保障を厚くする前に、米国籍や永住権を持つ州民の生活を優先させるべきだと、批判の声が上がっているのです。

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