2024年2月号記事

寄稿 幸福実現党・台湾視察レポート

台湾総統選前夜、迫りくる中国の脅威

日台の絆が世界の「自由・民主・信仰」を守る

幸福実現党の日台友好議員連盟が10月から11月にかけて、台湾の立法委員などと交流を行った。

多くの若者でごった返す週末の西門町。「台北の原宿」と呼ばれるこの町にも、政治活動の波が押し寄せていた。候補者の幟旗やポスターが並び、若い運動員が同世代の若者に訴えかける。台湾の未来を占う総統選・立法委員選が迫っている。

際立っていたのが「中国共産党を終わらせる」と反中キャンペーンを展開する「新中国連邦(NFSC)」。トランプ前米大統領の右腕を務めたスティーブ・バノン氏が設立した団体で、多くの通行人から注目を浴びていた。

実際、中国による台湾への領空・領海侵犯は常態化している。SNSなどを悪用し、世論も誘導。最終的に破談となったが、親中路線の国民党と、若者から絶大な人気を誇る民衆党の候補者の一本化を裏で画策していたのも中国だと囁かれる。

一方、若者の関心の半数近くは経済問題で、中国問題は10%程度。「中国に殺される前に家賃に殺される」という言葉が示す通り、低賃金と都市部の家賃高騰が彼らの大きな悩みだ。

「対中姿勢では民進党は正しいが、経済問題が解決しないからあえて今回は投票しない」と語る30代男性の言葉が印象的だった。当初は圧勝と目された民進党の頼清徳候補(現・副総統)だが、ここに来て全体の支持率は拮抗。与党として8年目の同党が最大の正念場を迎えている。

台湾で肌で感じた幸福実現党への期待

日台の絆を深める一助となるべく10月下旬、幸福実現党の日台友好議員連盟有志18人が訪台。国会に相当する立法院で、最新の台湾情勢に関する講義を受け、民進党の立法委員(国会議員)などとの交流も行った。

幸福実現党が日本全国で展開する「台湾を二度と見捨てない。今こそ、日台同盟を。」のポスターを見た、立法委員の蔡易餘氏は「東アジアの仲間として、共に中国共産党の脅威に対抗する決意を表明している言葉」と喜び、次期立法委員候補の謝佩芬氏も「『台湾への揺るぎない支援』に心から感謝したい」と述べた。

また、立法委員の仕事ぶりを評価する非政府組織「公民監督国会連盟」で理事長を務める曾建元曾建元氏は、基調講演で「無神論国家の中国が幸福になるためには、幸福実現党が掲げる『自由・民主・信仰』という価値観が必要だ」と強く賛同した。

劉建國

蔡易餘

謝佩芬

曾建元

日台友好議連と交流した、民進党立法委員の(1)劉建國(りゅうけんこく)氏、(2)蔡易餘氏、(3)次期立法委員候補の謝佩芬氏、(4)公民監督国会連盟の曾建元理事長。

「自由・民主・信仰」を守る日台の絆

11月11日には、来日中の曾建元氏を招き、東京・赤坂の幸福実現党本部で特別講演会を開催。

曾氏は台湾情勢に触れた上で、「日本で唯一、幸福実現党だけが『台湾を守る』と言っていることに非常に感謝する。多くの台湾人に党の思想を知ってもらいたいし、この考えに感銘を受けている多くの日本人たちと共に戦いたい」と期待した。

古川一美
幸福実現党日台友好議連会長を務める古川一美・茨城県古河市議。

第二部では、日台友好議連会長の古川一美・茨城県古河市議が帰朝報告を行い、「幸福実現党の活動は、本気で地球の平和を願い、世界のリーダー国家にしていくもの。『夢と理想』を込めて活動していきたい」と決意を語った。

曾氏は講演後、「若者からの支持が弱い責任は民進党にあるのも確か。与党は若者たちを説得しなくてはならない」としつつも、「今の台湾を守れるのは民進党だけ」と語った。

経済情勢の深刻さが事実だとしても、中国による経済的圧力と狡猾な懐柔政策につられ、「『奴隷の平和』を選び取っては断じてならない」と台湾の同胞たちには心から伝えたい。

ウクライナ問題やイスラエル・パレスチナ情勢など、世界が混迷を極める背後で触手を伸ばし、地球規模で価値観を転覆させようとする中国の野望。

台湾は、唯物論・無神論勢力に対して、世界の「自由・民主・信仰」を護る最前線の砦だと言えよう。日台の絆を深めることが世界を守ることに直結すると確信し、粘り強く戦い続けたい。L