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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

現在、中国では景気低迷の結果、多数の若者が失業している。就職先が見つからないので、多くの若者は親に経済的援助を頼る(*1)。

ショッピングモールは安い地下にしか行かなくなる

一部の若者の間では、「高級なものには手が出ない」、「今はショッピングモールで手頃なものしか買わない」、「食事は地下の安い美食街で済ませる」といった声があがっている。

そうした中、若者は嗜好までも枯れてきたのか、「高齢者式消費」をするようになったのである。例えば、高齢者の多い廉価な食堂で食事をしたり、特価の"夕日見学ツアー"に参加したり、安い高齢者向け教室の授業を受けたりする。

また通常、ショッピングモールでは地下1階・2階に美食街やスーパーマーケットがあり、物価も安い。そこが若者にとって安くてリラックスできるエリアで、今の彼らにはぴったりになっているという。一人当たりの消費額が100~200元(約2000~4000円)の多くのレストランは、一般にショッピングモールの4階や5階にあるが、もはや若者らには適していない。若者は地下1階・2階へしか行かなくなったのだ(*2)。

ブランドショップのオーナーの中には、「若い人たちが4階・5階へ上がって来ようとしないので、自分達がB1・B2へ降りて行く」と言う人もいる。この地下店舗に需要が出始め、多くの企業がそこに入居・出店しようと躍起になっている。