《ニュース》

アメリカにおける洋上風力事業で、世界的な大手企業が相次いで損失を出し、幹部から「米国の風力事業が崩壊している」という発言が出る事態となっています。

《詳細》

風力事業で先行する欧州のエネルギー大手、オーステッドやエクイノール、BPが、米国でのプロジェクトによって計7400億円の損失を計上し、波紋を呼んでいます。

背景には、インフレによる資材等の高騰、利上げ、供給網の寸断などがあるといいます。その一方、コスト増を受けて各社が地元電力会社などに売電価格の引き上げ交渉をしても、拒否される、といった状況があります。

世界最大手であるデンマークのオーステッドは、米ニュージャージー州沖合の2つのプロジェクトについて、多大な損失を計上したことを受けて1日、同事業から撤退することを発表しました。

英BPもニューヨーク州の複数のプロジェクトに関し、5億4000万ドルの損失を計上。共同でプロジェクトを行っていたノルウェーのエクイノールも、3億ドルの損失を計上しました。

バイデン政権は「脱炭素」を目玉政策の一つに掲げ、その柱として洋上風力を据えています。こうした中での惨状について、BPの低炭素部門トップが「米国の洋上風力は根本的に崩壊している」とコメントしたとも報じられています。

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