2023年11月号記事

ニッポンの新常識

軍事学入門 40

ウクライナはバイデン政権の駒に利用された

世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」をお届けする。

松村昌廣

桃山学院大学法学部教授

松村 昌廣

(まつむら・まさひろ)1963年、神戸市生まれ。関西学院大学卒業後、米オハイオ大学にて政治学修士号、米メリーランド大学にて政治学博士号を取得。米ハーバード大学オーリン戦略研究所ポストドクトラル・フェロー、米国防大学国家戦略研究所客員フェローなどを務め、現職。著書は『米国覇権の凋落と日本の国防』(芦書房)など。

ロシア―ウクライナ戦争の原因はさまざまな形で論じられていますが、冷静な分析が妨げられています。

冷戦後の歴代の米政権(トランプ氏を除く)はロシア敵視政策をとっており、ヒラリー・クリントン氏が2016年にトランプ氏に代わって大統領になっていれば、今回の戦争は前倒しで起きた可能性があります。