《ニュース》

昨年4月にパキスタンのカーン前首相が不信任案の可決によって失職した背景には、「アメリカからの圧力があった」と、米ニュースサイト「ザ・インターセプト」がパキスタン政府の機密文書をもとに報じ、波紋を広げています。

《詳細》

カーン氏は昨年4月に、野党連合が提出した不信任決議が賛成多数で可決され、失職しました。その際、「自身を排除しようとするアメリカの陰謀がある」と主張しましたが、根拠がないと一蹴されました。その後、同氏は汚職の容疑で逮捕され、今年8月に禁錮3年を言い渡されていました。

そうした中、ザ・インターセプトがパキスタン軍から入手した同国政府の機密文書によると、米国務省は昨年3月7日の会議で、ウクライナ戦争をめぐるカーン氏の「中立」を理由に、首相を解任するようパキスタン側に働きかけたといいます。

会議の中で、中央アジア担当のルー国務次官補は、カーン氏がモスクワを訪問するなど、パキスタン政府の中立政策に明らかな不満を示しました。そしてルー氏は、首相に対する不信任投票が成功すれば、「ワシントンではすべてが許されると思う。そうでなければ、この先は厳しいと思う」と発言しました。

カーン氏が失職して以降、パキスタン政府は中立を捨ててバイデン陣営に傾斜し、ウクライナへの武器支援を水面下で行っています。ウクライナ軍が発信する映像には、パキスタン製の弾薬が定期的に映っています。

日本の大手メディアが報じないスクープにより、アメリカがウクライナ戦争をめぐり、民主主義を守ると訴えておきながら、民主主義的プロセスで選ばれた他国の政治に介入していたことが分かりました。

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