《ニュース》

中国共産党系の環球時報はこのほど、SNS「微博(ウェイボー)」で、中国国内の「琉球」ゆかりの地を識者と巡る動画の連載を始めました。

《詳細》

環球時報は「中国で琉球を探求する」と題し、連載動画の配信を開始。初回として北京市の「琉球国墓地」跡地を取り上げました。

動画の中では、専門家がこの場所について「当時の琉球王国の官僚が、明治政府により日本に編入されることに抵抗して清朝に助けを求めた後、北京で自害して埋葬された」と説明しています。

さらに、「現在、沖縄県は日本政府の管轄下にあるが、歴史的には中国と琉球の関係史は中日関係史から独立している」と主張。14世紀に現在の福建省から琉球に渡来した「久米三十六姓」についても、「外国人ではなく、中国人であり福建人だ」と強調しています。

こうした報道の発端は、6月4日付「人民日報」で、習近平・国家主席の就任以来初となる「琉球」に関する発言が報じられたことです。直後から中国メディアがその意向を受けるような形で、沖縄問題を盛んに報じ始めました。そのほとんどが、「琉球は日本が清国から武力で脅し取った」といった主張を展開しています。

一連の発信は、7月上旬に玉城デニー・沖縄県知事が、日本国際貿易促進協会(河野洋平会長)の訪中団に同行したことにも連動していると見られます。玉城氏は北京と福建省福州市を訪れ、今回の動画にも取り上げられた「琉球国墓地」などの「琉球」時代のゆかりの地を巡ったほか、中国共産党序列第2位の李強・首相と会談するなどの厚遇ぶりが際立ちました。

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