《ニュース》

約27年前にトランプ前大統領から性的暴行を受けたと主張する女性作家ジーン・キャロル氏(79)が2022年11月にトランプ氏を相手取り、損害賠償を求める裁判を起こしました。

この民事訴訟について、米ニューヨーク連邦司法裁判所の陪審は5月9日(現地時間)、キャロル氏の主張を一部認め、トランプ氏に500万ドル(約6億7500万円)の損害賠償の支払いを命じました。

《詳細》

キャロル氏は訴状で、1995年秋~96年春に訪れたニューヨーク市マンハッタンの高級百貨店の下着売り場の試着室で、トランプ氏に強姦されたなどと主張していました。

ニューヨーク市民の男性6人、女性3人で構成された陪審は、トランプ氏が無理やり体を触るなどのわいせつ行為をしたことと、トランプ氏が訴えの内容を否定したことによる名誉毀損があったことは認めたものの、強姦については証拠の裏付けは不十分としました。

トランプ氏は、訴えの内容は「でっちあげで嘘」であり、キャロル氏の売名行為だと主張し、裁判にも出席していませんでした。トランプ氏の弁護団は控訴する方針を示しています。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「この女性が誰なのか、全く分からない。この判決は屈辱的だ──史上最大の魔女狩り(政治的迫害)が続いている!」「たった今終了した魔女狩り裁判の党派的な裁判官と陪審員は、このような裁判の茶番劇が行われるのを許したことを絶対に恥じるべきだ」などと投稿しました。

キャロル氏は2019年に自身の著書で被害を公表。時効が成立している性被害疑惑を1年に限って被害者が提訴できる法律「成人サバイバー法」がニューヨーク州で22年11月に施行されたことを受けて、民事裁判を起こしました。

米メディアにならって、日本のメディアも一斉に「トランプ氏の性的虐待(暴行)認定」と報じていますが、完全に「印象操作」の片棒を担いでいます。この訴訟や報道ぶりには、疑問を持つべきところが数多くあります。

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