米議会「中国委員会」が開催したチベットへの弾圧をめぐる公聴会で、証言者として登壇する俳優リチャード・ギア氏(画像は「中国委員会」YouTubeチャンネルより)。

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米下院で27日、「強制臓器摘出停止法案(Stop Forced Organ Harvesting Act)」が可決されました。賛成413反対2で、超党派による圧倒的多数の支持を受けています。

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法案はニュージャージー州の共和党下院議員クリス・スミス氏によって作成されました。

同氏は長年にわたり、中国共産党による自国民への弾圧と他国への覇権主義に警鐘を鳴らしてきた人物です。2020年には、中国政府から制裁対象に名指しされています。今年1月には、上院両議会の超党派による「中国委員会(Congressional-Executive Commission on China)」の議長に指名されました(上院議員のジェフ・マークリー氏(民主党)が共同議長)。

この度可決された法案は、大統領が「強制的な臓器狩りや臓器摘出を目的とした人身売買に対して資金提供など便宜を図った」と判断した人物に制裁を科すことを可能にする内容で、今後、上院での審議に移される予定です。

スミス氏は27日、法案をめぐる演説で次のように語りました。

「習近平国家主席と彼が統べる中国共産党により毎年、平均年齢を28歳とする6万人から10万人の若い犠牲者が、臓器を奪い取るために冷酷に殺されているのです」

「臓器狩りの対象にされている民族には、習近平による大量虐殺に苦しむウイグル族や、平和的な瞑想や運動を実践し、非常に健康であることから臓器が望まれる法輪功の人々が含まれます」

「中国共産党は彼らが"邪悪なカルト"であり、屠殺に値すると宣言しているのです」

スミス氏が率いる中国委員会は28日、チベットへの弾圧をめぐる公聴会を開き、チベット支援で知られる俳優リチャード・ギア氏も証言者として登壇しています。

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