2023年3月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第120回

釈党首

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/

「嘘」が国を亡ぼす

新たな年が明けました。しかし国内外の情勢を見ると、決して"おめでたい"とは言えない方向に向かいつつあります。

北朝鮮は1月1日から弾道ミサイルを日本海に撃ち込み、韓国と一触即発の状態です。

すでに中国が軍事演習で与那国島近海にミサイルを撃ち込んでおり、台湾有事の際、在日米軍基地が狙われることは間違いありません。

この2国に加え、岸田政権はロシアとも対立を深め、軍事的に無防備なまま、核を持つ3カ国と同時に対峙するという、最悪の選択をしています。

経済面でも待ったなしです。インフレが人々を苦しめていますが、日本銀行はこうした場合における金融政策の"正攻法"である「利上げ」ができないでいます(1月17日時点)。これは、1200兆円まで膨らんでしまった政府の借金を、これ以上増やせないという事情が大きいでしょう。にもかかわらず政府は、旅行支援に子育て支援にと、さらなるバラマキを打ち出し、財政は破綻まっしぐらです。

嘘がつけないと政治ができない国

幸福実現党は立党以来、早急な国防強化やバラマキストップをはじめ、日本を真の平和と繁栄に導くための政策を正直に訴えてきました。しかし、戦後約80年間、日本は基本姿勢において変わることがありませんでした。何を言っても暖簾に腕押し、聞こえのいいスローガンでやったふり。気が付けば「国家存続の危機」にある理由──。それは、この国の政治が、「嘘」に覆われているからです。

実際、日本は「嘘がつけないと政治家ができない国」です。

北朝鮮のミサイルを「飛翔体」と呼んで、国民に危険を認識させない欺瞞に始まり、中国がウイグルやチベット、香港を蹂躙しても、見てみぬふり。時折、中朝の脅威に「遺憾です」とは言うものの、今年5月の広島サミットで「核なき世界」の理念を世界に発信します。二度と核を落とされないための「核装備」など、不可能となるでしょう。

そもそも、国の最高法規である憲法が「嘘だらけ」です。わが国にミサイルの照準を合わせる国が「平和を愛する諸国民」であろうはずがありません。9条の「戦力不保持」はさすがに改憲の動きもありましたが、いつのまにか骨抜きの「加憲案」にすり替わってしまいました。

さらに、与党も野党も選挙のたびにバラマキを公約に掲げてきました。これは事実上、「税金を使った合法的な買収」であることは明らかでしたが、子育て支援などもっともらしい理屈をつけた耳ざわりのいい政策でごまかすことがくり返されてきました。

給付金を振り込むために口座と紐づけされたマイナンバーが、資産の捕捉と徴税のインフラとなるのは時間の問題でしょう。

ほかにも、ワクチン副作用に関する嘘や、買収など違法行為に関する嘘など枚挙に暇がありません。政治家は国会の答弁で"何百回"と嘘をつく。もはや選挙自体が「嘘つきが当選するシステム」となり果てました。

政界の「鏡」となるべく

平気で「嘘」がつける理由は、戦後、政治や教育などから宗教・信仰心が骨抜きにされたためです。特に、「死んだら生前の思いと行いが裁かれ、天国・地獄が分かれる」という、仏教的な因果応報の価値観が忘れ去られているからです。

日本神道的な「本来地獄なし」の思想も、心の中で思っていることと、見せかけの言動がかけ離れている「天狗」や「画皮」(*1)タイプの嘘つきとなり、無反省な人間を量産しています。

「心の善悪」を無視した政治には、「神の正義」の概念が成立しません。その証拠に、「もし戦争が起こったら国のために戦うか」という国際調査において、日本は諸外国の中で最低の13.2%しかないのです(*2)。これでは無神論国家・中国の植民地になるしかないではありませんか。

結局、日本と地球の「かつてない危機」の本質は、宗教的に見れば地獄領域が拡大し、「善悪の価値観がこの地球において逆転する」(*3)ことです。

「嘘つきは泥棒の始まり」どころか、国を亡ぼす悪魔の始まりです。閻魔様のお裁きを馬鹿にする政治を一掃し、どこまでも正直な言葉で未来を切り拓かねばこの国は亡びてしまいます。赤心を洗い、穢れた政界のその醜さを写し出す「鏡」となることが宗教政党の使命です。

(*1)人間の皮をかぶって人をたぶらかす妖魔のこと。
(*2)「世界価値観調査」
(*3)大川隆法著『地獄の法』(幸福の科学出版)

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写真提供:PIXTA