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「世界ウイグル会議」のドルクン・エイサ総裁が5日、東京都内で記者会見を行い、新築戸建て住宅などへの太陽光パネル設置義務化を目指す小池百合子都知事に対し、慎重な対応を求めました。
《詳細》
都は環境確保条例を改正し、中小規模の新築建物に太陽光発電設備の設置を義務付ける制度を創設。戸建て住宅を含む義務化は全国初となります。2年間の周知期間を経て、2025年4月の開始を目指しています。
都は、パネル設置のメリットとして、「毎月の光熱費が削減できる。例えば4キロワットの設備を設置した場合、補助金、光熱費削減、売電収入を合わせれば、約6年で初期費用を回収できる」「停電時に電気が使える」「CO2削減に貢献できる」などを挙げています。
一方で、初期投資コストがかかることや台風・地震など災害時の漏電の危険性や大量の廃棄物が発生すること、さらにパネルの材料に使われる多結晶シリコンの大半は中国の新疆ウイグル自治区産で、人権侵害に加担することになることなどが問題視されています。
ドルクン氏はパネル設置の義務化という都の方針については「エネルギー政策の一つとして進めるのは結構」と理解を示しましたが、ウイグルの強制労働による製造が疑われる中国製のパネルを使うことは「ジェノサイド(民族大量虐殺)に加担することになる」と指摘。「中国以外の国で製造されたパネルを使うべき」と訴えました。
製造コストがかさむ可能性もありますが、同氏は「ウイグルの人々の命より高くつくはずがない。小池知事にはぜひ、そこを真剣に考えてほしい」と話しています。
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