《ニュース》

小中高生を対象とした「学校読書調査」で、電子書籍を読んだ経験のある小中高生が「紙の本の方が読みやすい」と感じる傾向にあることが分かりました。

《詳細》

調査は、全国学校図書館協議会が、児童や生徒の読書傾向を探るために行っているものです。今年6月に行われた調査では、回答者約1万4千人のうち、およそ半数の約7000人が電子書籍を読んだことがあると回答。「紙の本と、スマホやタブレットなどを比べると、どちらが読みやすい(分かりやすい)ですか」との問いかけには、小中高生のいずれも4割以上が「紙の本」と回答し、「スマホやタブレット」との回答を上回りました。

一連の結果を紹介した28日付読売新聞は、言語脳科学が専門の酒井邦嘉・東京大学教授の「作品を味わい、深く理解するには、既に読んだ箇所を読み返す必要が(ある)」などのコメントを紹介。電子書籍で「物語・おはなし・小説」を読んだことのある児童・生徒も「紙の本のほうが読みやすい」と回答した割合が高かったことについて、酒井氏は「しっかりと内容を追う読書には、紙の本が適していることを示す結果だろう」と指摘しています。

同調査で「1カ月の平均読書数」を30年前と比較したところ、小学生で6.5冊から13.2冊、中学生は2.1冊から4.7冊と倍増。「朝読書」などの取り組みが広がったことが要因とみられています。一方、学年が上がるにつれて読書数が減り、男子の場合、「0冊」と回答したのは小6で10.4%、中3で31%、高3で68.5%となっています。SNSや動画サイトの普及で短い文章しか読まず、長い物語や文章に不慣れであることが原因と分析されています。

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