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中国が一方的に開発を進めている東シナ海のガス田が、新たにもう1基、炎を出していることが確認され、生産活動を開始した可能性が高いことが判明しました。日本の外務省は一方的な開発の継続は遺憾だとして、中国側に抗議しました。

《詳細》

中国は東シナ海において長年、盛んに資源開発を行ってきました。ところがこの海域は、日中の排他的経済水域(EEZ)などの境界が、見解の食い違いにより未画定のままです。こうした中で中国側が開発を進めていることに、日本政府は抗議してきました。

特にいくつかのガス田は、日本が境界と訴える「日中中間線」よりわずかに中国側にあるものの、地下構造は日本側につながっているため、日本の資源を吸い上げている可能性があります。

こうしたガス田については、日中が2008年に共同開発を行うと合意しましたが、その後、協議は停滞しており、中国側が一方的に開発を進めてきました。

中間線の付近では、これまでにガス田と見られる構造物が計18基確認されています。中でも、今年5月に設置が進められていることが判明していた構造物からこのほど、新たに炎が上がっていることを、海上自衛隊が確認しました。施設が稼働し、ガスの掘削が始まると炎が上がるとのことです。

中国がガス田の稼働数を増やし、開発を継続していると見られることから、外務省のアジア大洋州局長が、中国大使館次席行使に電話で抗議しました。

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