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米バイデン大統領が16日に署名した「インフレ削減法」の中で、電気自動車普及のための補助金の支給要件を変更しました。加えて、バッテリーの原料の一定割合以上が中国産の場合、補助金の対象外にすることになりました。

《詳細》

バイデン政権はこれまで、電気自動車の普及のため、一企業あたり年間20万台までの枠で、購入者が最大7500ドル(約100万円)の補助金を得られる制度を運用してきました。今回の法律では、「20万台」の限定を撤廃する代わりに、支給要件を厳しくしています。

新たな要件の一つは、2024年以降、「バッテリーの中核素材がアメリカまたはアメリカの自由貿易協定(FTA)締結国から40%供給されている」(26年からは80%)こと。つまり、中国産の素材を使ったEVバッテリーは支給の対象外となるということです。

別の要件としては、「バッテリーの主要部品の北米製の割合が50%以上(27年からは100%)」かつ、「23年以降は、北米で最終組み立てされた電気自動車」であることが挙げられます。

主要自動車メーカーを代表する米業界団体「自動車イノベーション協会」は、現在税額控除を受けられる電気自動車、プラグイン・ハイブリッド(PHV)車、燃料電池車の72モデルのうち、7割が対象外になると指摘。同協会のジョン・ボゼーラ会長は、「『30年までに新車販売における電気自動車の割合を40~50%にする』という目標が達成できなくなる」としています。

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